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ローンの繰り上げ返済は究極の資産運用

記事更新日:2018.7.25

掛け捨ての保険中心に加入し繰り上げ返済を優先したほうが得になりやすい

ローンの繰り上げ返済は究極の資産運用とよく言われる。
住宅ローンが残っていながら、営業マンに

「老後に向けて積立貯金ができますから!」

と言われて、終身保険個人年金保険に加入してしまっている人がとても多いけど、もったいないとしか言いようがない。保険に払うお金を繰り上げ返済に回したほうが多くの場合はずっと得になる。(※)
それを今日は見ていきたいと思う。


こちらのページこちらのページで例外的なケースを紹介していますので、よかったら参照してみて下さい。

ういす。
余裕資金を繰り上げ返済に回すAさんと、終身保険に加入したBさんを比較していきたいと思う。


・AさんとBさんはともに30歳の男性。
・3,000万円の新築を頭金500万円、住宅ローン2,500万円で購入。
・住宅ローンは、30年払、30年固定金利2%、月々の返済額92,405円、ボーナス払無を選択。

ふむふむ。
AさんとBさんは、ともに毎月の余裕資金が2万円程度あった。

そこで、Aさんは毎月20,674円(※1)を繰り上げ返済に充てることにした。
Bさんは月払保険料19,490円(※2)、保険料払込期間30年の終身保険(※3)に加入した。



※1※2 2万円ジャストだと計算上都合が悪かったためこの金額にしてあります。
※3 年利0.8%程度の低解約返戻金型終身保険に加入したとします。



Aさん(繰り上げ返済派) Bさん(終身保険加入派)
毎月規定のローン返済額 92,405円
毎月のローン繰り上げ返済額 20,674円 0円
毎月の終身保険の保険料 0円 19,490円
毎月の合計支払額 113,079円 111,895円


なるほど、AさんもBさんも毎月の合計支払額は同じくらいだね。
そうだね。
で、このままこれを続けていくと、23年後、Aさんは53歳でローンを完済してしまうんだ。
おお~。当初の予定では60歳まで払い続けるローンだったから、7年も早く完済できるのか。すごいね!
すごいのは支払期間を短縮できることだけじゃないんだ。銀行に支払うお金も大幅に節約できるんだ。


Aさん(繰り上げ返済派) Bさん(終身保険加入派)
毎月のローン返済額 92,405円
毎月のローン返済額 113,079円 92,405円
返済までに要する期間 23年
※7年短縮
30年
返済までに銀行に払う総額 約3,121万円
※Bさんより206万円も節約!
約3,327万円


206万円!だいぶ節約できるんだなあ。
そうだね。
で、Aさんはローンを完済したので、これからは自由に貯金ができるようになったわけだ。
Aさんは今後はリスクを取った運用を行いたいと思い、通常NISA口座(非課税)に毎月10万円ずつ、一般の証券会社の口座(課税)に毎月8,000円ずつ、合計で毎月108,000円ずつ投資していくことにした。NISAでの運用利率(年利)は10年以上の長期間運用した場合であれば5%以上は十分期待できるけど、今回はあえて終身保険の年利と同じ約0.8%で運用できたとする。


Aさん(繰り上げ返済派) Bさん(終身保険加入派)
30歳~53歳 ローンの返済のみ全力で ローンの返済をしながら
終身保険の保険料を積み立てる
53歳~60歳 通常NISA口座等へ投資


なるほど。で、60歳になった時の結果は?
下記の通り。


Aさん(繰り上げ返済派) Bさん(終身保険加入派)
30歳~53歳、毎月支払額 113,079円
(規定のローン返済+繰り上げ返済)
111,895円
(規定のローン返済

終身保険の保険料)
53歳~60歳、毎月支払額 108,000円
(通常NISA口座等に投資)
30歳~60歳、総支払額 約4,028万円
60歳時の財産 約932万円
(通常NISA口座等の残高)
約792万円
(終身保険を解約して
受け取れる解約返戻金
生命保険料控除で
戻ってくるお金
(30年分)②
約20万円 ※1
(年収500万円くらい
までの方の場合)
住宅ローン減税で戻ってくるお金 約188万円 約197万円
差引額 約1,120万円
(①+③)
★111万円も多い!
約1,009万円
(①+②+③)

※ 住宅ローン減税については国交省公式サイトを参照願います。
※1 終身保険以外にも定期保険収入保障保険学資保険などに加入されている方は多いと思います。そうなると、それだけで生命保険料控除の枠は使い切ってしまっていると思いますので、この終身保険加入分で20万円分の還元は現実的には見込めないと思います。
※ 終身保険には死亡保障1,000万円がついているので、その分、Bさんは他に加入している死亡保険(収入保障保険など)の保障を減らし保険料を抑えることが可能です。保険料を抑えられればその分、60歳時の財産が増えると思います。しかしそれでも少なくとも50万円以上は繰り上げ返済派が得になると思います。


総支払額は同じ4,028万円なのに、差引額はAさんのほうが110万円近くも多いのか。これは繰り上げ返済派のほうが断然いいなあ。

けど、今回の例って住宅ローンの金利に30年固定2%を選んだ場合でしょ?もっと金利が低い変動金利を選んだ場合だと差がなくなるんじゃ?
そうだね。確かに近年は金利低下に拍車がかかっていて、1%未満が当たり前になっている。私の住宅ローンも変動金利で1%未満だ。

上記例の終身保険の年利は0.8%くらいなので、借金の金利(住宅ローンの金利)と預金の金利(終身保険の金利)がほぼ同じになる。そうなると差はほぼなくなる。

けどそれは住宅ローンが1%未満の低金利を維持できればの話だ。変動金利は将来的に金利が上昇するリスクがある。金利が上がってしまったらたちまち差が広がってしまう。なので基本的には低金利であったとしても、繰り上げ返済を優先したほうがいい(※)と思う。



こちらのページのとおり、住宅ローン減税期間中は繰り上げ返済をしないほうが有利なケースが多いです。

そっか・・・。因みに先生はなんで変動金利にしたの?
日本はもう昔ほどの好景気で高金利の時代はこないと思っているし、もしそうなりそうだったら固定金利に切り替えればいいと思ったから・・・。

・・・というのは模範解答で、実際はパパっと返しちゃいたいからかな。
パパっとって、目標はどれくらい?
10年!
ローンは何年契約なの?
29年・・・。
相当がんばんなきゃ無理じゃん!!
そうだね、まあ目標だけは高く持たないとさ。
で、話を戻すけど、繰り上げ返済派にはもうひとつ決定的なメリットがあるんだ。それを次回見ていくよ。

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