住宅ローン繰り上げ返済をしないほうがよいケースは?

記事作成日:2016.9.17

住宅ローン控除期間中かつ超低金利の時は、繰り上げ返済をしないほうが有利なことも。

住宅ローン控除は、条件を満たしていれば「年末時点のローン残高×1%」の額だけ、その年に納めなければいけない所得税が安くなる制度だ。

条件はローンを組んだ年などによって異なるけど、例えば平成27年にローンを組んだAさんの住宅ローン残高が、平成28年末時点では2,000万円だったとしたら、

2,000万円×1%=20万円

となり、その年に納めなければいけない所得税が20万円も安くなる。
ふむふむ。ん?その年に納めなければいけない所得税が元々10万円だったらどうなるの?20万円分も引ききれなくなっちゃうけど。
そうだね。
引ききれない分は翌年の住民税から引くことができるんだ。私も住宅ローン控除の対象期間中だけど、所得税だけでは引ききれないので住民税からもかなり引かれているんだ。 正直かなり助かってるよ。
そうなんだ。いい制度だねこれは!
そうだね。
で、今回の話はその住宅ローン控除が深く関連している。
近年はマイナス金利が導入されるなど超低金利時代に拍車がかかってきていて、銀行によっては住宅ローンの変動金利が0.5%くらいまで下がっている。そしてこのように超低金利の場合は、下記のとおり繰り上げ返済をしないほうが有利になる。


※住宅ローンの金利が0.5%の場合
その年の年初に100万円を繰り上げ返済した場合
繰り上げ返済によって
払わなくてよくなった利子①
繰り上げ返済してしまったことで
受けられなくなってしまった住宅ローン控除額②
差引
(①-②)
5,000円

5,000円、得になった!
1万円(※)

1万円得になるのを逃した!
-5,000円
繰り上げ返済したことで
5,000円分の得を逃がした!

※繰り上げ返済方法が返済期間短縮型(繰り上げ返済後も毎月の返済額を変更しない)の場合は、実際には1万円を少し超える額になります。


なるほど。
繰り上げ返済をしなければ年間で1万円も得になるところだったのに、繰り上げ返済したために5,000円しか得にならなくなっている。そしたら繰り上げ返済しないほうがいいってことか。
そうだね。
今回のように、住宅ローン控除期間中かつ金利が1%未満の場合は、繰り上げ返済をしないほうが得になるケースが多いんだ。
なるほど。じゃあ余裕資金があるのに繰り上げ返済をしないほうがいい場合は、その余裕資金はどうすればいいのかな?


余裕資金は学資保険やNISAに充てることを推奨

住宅ローン控除期間は最長でも10年なので、その間だけ余裕資金を繰り上げ返済以外に充てて運用するにしても、運用期間は最長で10年間ということになる。
ふむふむ。じゃあ10年間でいかに有効に余裕資金を運用するかだね。
そうだね。
人それぞれ環境や価値観が異なるので、どの運用方法がベストかというのは一概には言えないけれど、個人的には下記を推奨したい。


住宅ローン控除期間が終了するまでの最長10年間、余裕資金を何に充てるとよいか?
小さなお子様がいる場合 左記以外
保険料払込期間が10年以内学資保険を推奨 NISAを推奨


なるほど、学資保険か。
そうだね。
例外の学資保険以外は繰り上げ返済優先
でも記載しているけど、子供の学資金は別枠で貯金しておきたいもの。保険料払込期間が10年以内学資保険に加入すれば、住宅ローン控除期間中に学資保険への保険料払込が完了できる。そうすればかなり気持ちがラクだし、控除期間終了後は集中的に繰り上げ返済ができると思う。
なるほど。保険料払込期間を10年以内にできる学資保険ってどれがいいのかな?
それはその時その時によって変わってくるけど、学資保険の選び方の結論で取り上げているのでよかったら見てほしい。

そして小さいお子様がいない場合はNISAを推奨したい。NISAは数年~10年くらいの中期の運用にはもってこいの制度だと思う。住宅ローン控除期間中はNISAで余裕資金をできるだけ増やし、控除期間が終了したと同時に増やした余裕資金をいっきにドーンと繰り上げ返済する。それが銀行に払う住宅ローンの利子を最小にできる方法だと思う。

以上、よかったら参考にしてみてください!