低解約返戻金型終身保険とは?種類と活用方法は?
記事更新日:2018.7.25
ペナルティーがある分、保険料が割引になっている終身保険
今日は低解約返戻金型終身保険 (ていかいやくへんれいきんがた) について詳しくみていくよ。 |
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ういす。なんかもはや日本語とは思えないような難しい名前だね。 | |
確かに、まるで漢語みたいだよね。 でも大丈夫、中身はそんなに難しいものじゃない。この保険は簡単にいうと、携帯の2年縛りの割引プランと似たようなものなんだ。 |
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携帯の2年縛りの割引プランって、2年以内に解約するとペナルティーとして高額な違約金を取られる分、毎月の基本使用料が割引になっているやつのこと?? | |
そうそれ。この低解約返戻金型終身保険も、 保険料払込期間中に解約した場合、保険会社から受け取れる解約返戻金が通常の終身保険よりも低額になっているため、大損となってしまうケースが多い。 というペナルティーがある分、保険料が割引になっている。 なので低解約返戻金型という名前になっているんだ。 解約返戻金のことを「解約払い戻し金」と呼ぶこともあるので、保険会社によってはこの保険のことを、 低払い戻し金型終身保険(ていはらいもどしきんがた) と呼んでいるところもある。 |
携帯の2年縛りの割引プラン |
◆割引内容 毎月の基本使用料が半額。 ◆ペナルティー 2年以内に解約した場合は、違約金9,500円が必要。 |
低解約返戻金型終身保険 |
◆割引内容 保険料が10~15%程度割引。 ◆ペナルティー 保険料払込期間中に解約した場合、解約返戻金が通常型より低額(70%程度)。 |
なるほどねえ。なんか最近はなんでもこういう割引があるよね。 ん? 保険料払込期間中に解約した場合、解約返戻金が通常型より低額(70%程度)になる。 ってあるけど、保険料払込期間満了後に解約した場合はどうなるの? |
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いいとこに気付いたね。 |
保険料払込期間満了後に解約した場合はどうなるか?
保険料払込期間(=ペナルティー期間)満了後に解約をした場合に受け取れる解約返戻金は、一般的に通常型と同程度になるんだ。 | |
んんん?支払う保険料は割引されているのに、受け取れる解約返戻金が同程度になるということは、かなりおトクなんじゃ? | |
そうなんだ。例えば、某社では下記の契約内容の終身保険を扱っている。 被保険者:20歳男性 |
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これは被保険者がいつ亡くなってしまったとしても、遺族が保険金1,000万円を受け取れる契約だね。 | |
そうだね。この保険の経過年数と解約返戻金の推移は下記のとおり。 |
経過 年数 (年) |
年齢 (歳) |
払いこんだ保険料累計額 (万円) |
解約返戻金 (万円) |
損得 (万円) |
返戻率 (%) |
||||
通常型 | 低解約 | 通常型 | 低解約 | 通常型 | 低解約 | 通常型 | 低解約 | ||
10 | 30 | 273 | 234 | 235 | 163 | -38 | -79 | 86 | 70 |
20 | 40 | 546 | 468 | 497 | 347 | -49 | -121 | 91 | 74 |
30 | 50 | 819 | 702 | 792 | -27 | +90 | 96 | 113 | |
40 | 60 | 819 | 702 | 854 | +35 | +152 | 104 | 122 |
おお~。50歳で保険料払込が満了してから解約すると、低解約返戻金型のほうはかなり利益が出るんだね!これは大きなメリットだね。 けど保険料払込の途中で解約すると、通常型よりもかなり損になるというデメリットもあるのか・・・。 うーん、どっちのほうがいいんだろう・・・。 |
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そうだね。 これは人それぞれ価値観は違うから一概には言えないけど、個人的にはデメリットよりもメリットのほうが大きいと思うので低解約返戻金型のほうが魅力的だと思う。 | |
確かに。無理したプランに加入しなければ、途中で保険料を払えなくなって解約しなければいけない事態も防げそうだしね。 | |
そうだね。 携帯の2年割引は、2年以内に解約することになった時のペナルティーを承知の上でほとんどの方が組んでいる。 それと同じで、終身保険も通常型よりも低解約返戻金型のほうが人気が高く、保険会社もこちらを中心に販売している会社が増えているように思う。 ただし途中解約時のペナルティーは、携帯の違約金とは比較にならないくらい大きい。しかも通常型であれば、保険料の払込が途中で厳しくなったら解約せずに払済保険に変更するという手もあるけれど、低解約返戻金型の場合は払済保険に変更すると低解約期間が終身継続するため、保険料払込期間 (60歳までだった場合は60歳) を過ぎても解約返戻金は低いままなのでやはり大損しやすい。 なのでもし加入する場合は、本当に余裕を持って支払っていけるプランを組んでもらえたらと思う。 それではこの保険の種類と活用方法を見ていくよ。 |
低解約返戻金型終身保険の種類は大きく3つ
低解約返戻金型終身保険は下記の3種類に大きく分けられる。 |
種類 | 積立利率 | 配当 |
① 低解約返戻金型終身保険 無配当 | 固定 ※1 | なし |
② 低解約返戻金型終身保険 配当付 | 〃 | あり |
③ 低解約返戻金型の積立利率変動型終身保険 | 変動 | なし ※2 |
※1 一般的に変動型と記載のないものは固定型です。
※2 積立利率変動型の保険はその性質上、一般的に無配当です。
えーと、 ・無配当タイプ ・配当付のタイプ ・積立利率が変動型のタイプ の3種類か。それぞれ具体的にどんな保険なんだろう? |
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簡単に記載すると下記のとおり。 |
種類 | 保険料 | インフレに対応できるか? |
① 低解約返戻金型終身保険 無配当 | 1番安い | できない |
② 低解約返戻金型終身保険 配当付 | ①より少し高い ③とはほぼ同じ |
比較的対応可能 |
③ 低解約返戻金型の積立利率変動型終身保険 | ①より少し高い ②とはほぼ同じ |
比較的対応可能 |
なるほど。②と③はインフレに比較的対応できるというメリットがある分、保険料が少し割高になっているわけか。 というか、②と③はほとんど同じじゃない? |
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そうなんだ。 インフレに強い保険、弱い保険で詳しくは記載しているけれど、配当付きの保険と積立利率利率変動型保険は保険料もほぼ同じくらいだし、インフレに強い理由も下の表のとおりほぼ同じなんだ。 なので、②と③は事実上同じ保険と考えてしまってよいと思う。 |
配当付き保険 |
好景気になり経済が成長 ↓ インフレ(物価上昇)が起きる ↓ 国債の長期金利が上昇する ↓ 保険会社の運用利率(運用成績)も上昇し、剰余金が生じる ↓ 加入者は剰余金を配当(利差配当)として受け取れるが、すぐには受け取らずに 据え置き、解約返戻金などを受け取る時に合算して受け取る据置配当を選択 ↓ 将来の解約返戻金や保険金が増額する この仕組みからインフレに比較的対応可能と言える |
積立利率変動型保険 |
好景気になり経済が成長 ↓ インフレ(物価上昇)が起きる ↓ 国債の長期金利が上昇する ↓ 保険会社の運用利率(運用成績)も上昇し、それに連動して積立利率も上昇する ↓ 将来の解約返戻金や保険金が増額する この仕組みからインフレに比較的対応可能と言える |
なるほどね。じゃあインフレに強い②や③を選んでおいたほうがよいのかな? | |
そうだね。特に20年以上の長期運用を考えている場合はそうしておくべきだと思う。詳しくは下記の参考リンクを参照してほしい。 ◆参考リンク |
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なるほど。 |
低解約返戻金型終身保険の活用方法
終身保険は資産運用が可能な保険だ。 その中でも低解約返戻金型終身保険は、ペナルティーを設けるかわりに資産運用力が強化されていることから、学資保険の代用としてや老後資金の積立貯金手段としてよく加入されている。 詳しくは下記の参考リンクを見てもらえたらと。 ◆参考リンク |
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なるほど。 | |
低解約返戻金型終身保険についてはここまで。ここまで読んでくれてありがとう。 | |
お疲れさまでした~。 |