積立利率変動型終身保険とは?

記事作成日:2014.11.27

国債の長期金利が上昇すると積立利率が変動する保険

今日は積立利率変動型終身保険
(つみたてりりつへんどうがた)
について詳しくみていくよ。
ういす。なんかまたまた難しい名前だなあ。
そうだね。似たような名前で

利率変動型積立終身保険(=アカウント型保険
変額終身保険

というのもあり、とてもややこしいと思う。
うーん、確かにややこしいなあ。
でもまあアカウント型保険は加入NG保険なので覚えなくていいんだったよね?
変額終身保険っていうのは何だろう??
簡単に言ってしまうと、積立利率変動型終身保険は、

保険料の運用先として保険会社が主に利用している国債の長期金利が、保険会社の設定した利率(※)を上回って推移した場合に、積立利率が上昇(変動)する終身保険


一方の変額終身保険は、

保険料の運用は加入者が選んだ投資信託によって行われ、その運用成績によって将来受け取れる保険金などが動する終身保険

だ。

※この利率のことを予定利率といいます。また積立利率変動型終身保険の場合、
「予定利率=積立利率の最低保証利率」
となっています。
なるほど・・・。
運用先を保険会社が選ぶのか、加入者が選ぶのかが1番の違いという感じかな??
そうだね。詳しくは
積立利率変動型終身保険と変額終身保険の違いは?
で取り上げるので、よかったら参照してほしい。
では詳しくこの保険を見ていくよ。


積立利率とは?

それでは詳しくこの保険を見ていくよ。ここでは例として、
ソニー生命積立利率変動型終身保険 無配当(PDF)
で見ていきたいと思う。
ういす。
この保険の契約例(記事作成時点のもの)は下記のとおり。

被保険者・・・35歳男性
基本保険金額 (死亡保険金)・・・1,000万円
保険期間・・・終身
保険料払込期間・・・60歳まで
保険料支払方法・・・月払/口座引き落とし
月払保険料・・・25,630円
積立利率の最低保証利率・・・1.6%

これは被保険者がいつ亡くなってしまったとしても、遺族が死亡保険金1,000万円を受け取ることができるという契約だよね。
ん?
最低保証利率1.6%?
1.6%って高くない?
銀行の定期預金の利率(年利)なんて高くても0.2%とか0.3%とかだよね?
年利率1.5%超の超高運用な個人年金保険でもたしか1.5%ちょっとだったのに・・・。
いや、まず注意してほしいけど、払った保険料の全額が積立利率で運用されるわけではないんだ。

年利1.6%の定期預金に10,000円を預金した場合
 ⇒ 10,000円全額が利率1.6%で運用される
 ⇒ 1年後には10,160円になる

積立利率1.6%の保険に保険料10,000円を払った場合
 ⇒ 10,000円全額が利率1.6%で運用されるわけではない
 ⇒ 1年後に10,160円になるわけではない!

なんだガッカリ・・・。じゃあ積立利率っていうのは何なのかな?
積立利率は、保険会社が加入者から受け取った保険料のうち、
積立部分に充てたお金を運用する利率のことなんだ。
保険会社は加入者から受け取った保険料を、当然ながらすべて積立部分に充てるわけではない。受け取った保険料から自分達の利益や必要保障額などを差し引き、残りを積立部分に充てている。
例えば下記のような感じだ。


加入者から保険料10万円を受け取る。

そこから10%分(1万円)を、自分達の利益や必要保障額として差し引く。

残った9万円を積立利率で運用する。


そのため払った保険料全額に対する運用利率は、積立利率の数値よりも一般的に小さくなる。(※)


評価ランキングで参考プラン時の年利(運用利率)を公開しています。また、だいぶ先になってしまうかもしれませんが、運用利率を計算できるExcelファイルを作成し公開したいと考えています。
なるほど。というか保険会社は10%も差し引いちゃうの?
どれだけ差し引くかは保険会社や契約内容によって変わってくる。
よって積立利率が同じ1.6%のA社とB社の保険でも、解約時の返戻率などが同じになるわけではない。
なので、積立利率だけで安易に比較しないよう注意してほしい。
なるほど。積立利率が高いからといって喜んで飛びつくのは危険ということか。
そうだね。


積立利率が変動すると死亡保険金と解約返戻金はどのように変化するか?

それでは続けて、
「積立利率が変動すると、保険金や解約返戻金がどのように変化するか?」
を見ていくよ。
ういす。
先ほどの契約例で、積立利率が1.6%(最低保証利率)、2.0%、3.0%のそれぞれで常時推移した場合の比較は下の表のようになる。


積立利率の推移
1.6% 2.0% 3.0%
60歳解約時の損得 -46万円 +7万円 +115万円
60歳解約時の返戻率 94% 101% 120%
70歳解約時の損得 +42万円 +144万円 +458万円
70歳解約時の返戻率 105% 119% 160%
60歳で亡くなってしまった時に
遺族が受け取れる保険金
1,000万円 1,063万円 1,251万円
70歳で亡くなってしまった時に
遺族が受け取れる保険金
1,120万円 1,485万円


なるほど、積立利率が何%で推移するかによって大きく変わってくるんだね。
3.0%で推移した時の損得はウハウハという感じだね!
けど最低保証の1.6%でずっと推移してしまった場合は、70歳で解約した時で返戻率がたったの105%か・・・。つまり全然増えていないってことだね。35歳で加入してから35年間も運用したのにこの数値だとちょっとなあ・・・。
そうだね。
最低保証利率で常時推移した場合と言うのはつまり、
1番最悪の運用成績となった場合
なので、これより悪くなることはないということになる。なのでどんなに運用成績が悪くても、70歳で解約すれば42万円は黒字になるし、解約しない限りはいつ亡くなったとしても遺族が1,000万円を受け取ることができる。

けれど、「積立利率変動型」といういかにも積立貯金できるような名前の保険なのに、35年間も運用して返戻率105%じゃちょっと・・・だよね。

ではこの表に、同じソニー生命の積立利率が固定型
(一般的に変動型と記載のないものは固定型になります)
終身保険 無配当(PDF)も比較のために加えてみる。


終身保険 無配当
(固定型)
積立利率変動型
1.6% 2.0% 3.0%
月払保険料 24,270円 25,630円
保険料総額 7,281,000円 7,689,000円
60歳解約時の返戻率 97% 94% 101% 120%
70歳解約時の返戻率 110% 105% 119% 160%
60歳で亡くなってしまった時に
遺族が受け取れる保険金
1,000万 1,000万円 1,063万円 1,251万円
70歳で亡くなってしまった時に
遺族が受け取れる保険金
1,120万円 1,485万円


えーと、解約時の返戻率で見ると

1.6% < 固定型 < 2.0% < 3.0%

という結果だね。最低保証の1.6%でずっと推移してしまった場合なら、固定型のほうが上になってしまうのか・・・。
というか、積立利率変動型は固定型よりもけっこう保険料が高いんだね。
そうだね。積立利率変動型は、
積立利率が上昇すれば解約返戻金や死亡保険金が大幅UPするかもしれないという特典がある分、保険料が割高
になっているんだ。


※厳密に言うと、積立利率変動型は固定型よりも予定利率が低く設定されているため、その分、保険料が割高になっています。また、変動型の予定利率は積立利率の最低保証利率と同値になっています。
なるほどなあ。けど将来の解約返戻率が固定されてしまっているより、大きく増えるかもしれない積立利率変動型のほうが夢があるようで僕はいいなあ。
けどじゃあどういう時に積立利率は上昇するんだろう?


積立利率変動型は比較的インフレに強い保険

積立利率変動型終身保険は、

保険料の運用先として保険会社が主に利用している国債の長期金利が、
保険会社の設定基準(予定利率であり積立利率の最低保証利率でもある)を上回って推移した場合に、積立利率が上昇(変動)する終身保険


だったよね?じゃあつまり、国債の長期金利が上昇すれば積立利率も上昇するってことだよね?国債の長期金利はどういう時に上昇するんだろう?
詳しくはここでは割愛するけど、一般的には
好景気で経済が成長しインフレが起きると上昇するんだ。


好景気になり経済が成長

インフレ(物価上昇)が起きる

国債の長期金利が上昇する

保険会社の運用利率(運用成績)も上昇し、それに連動して積立利率も上昇する

将来の解約返戻金や保険金が増額する


この仕組みから、利率変動型は比較的インフレに対応可能な保険となっているんだ。


終身保険 (無配当) 積立利率変動型終身保険 (無配当※)
インフレが
起きなかった時
右の保険より有利になる可能性が高い 常時最低利率付近で推移することになり、
左の保険より低運用となる可能性が高い。
インフレが
起きた時
インフレが起きようが起きなかろうが、
解約返戻金や死亡保険金は加入時に
決められたものになる

インフレに対応できない
積立利率が上昇し、
解約返戻金や死亡保険金が増額する

インフレに比較的対応できる

※ 積立利率変動型の保険はその性質上、一般的に無配当です。


なるほど。そしたら、
「今後、好景気になってインフレが起きるかもしれない」
と予想するなら、積立利率変動型を選んだほうがよさそうだね。
しかし今後の日本が好景気になってインフレになんてなるのかなあ?
これは色々な意見があるけど個人的にはかなり確率は低いと思う。
アベノミクスはまさにその好景気とインフレ継続を目標としているけれど、今後の日本はますます少子高齢化が進み人口も減少していく。その逆境の中で昔のような安定成長期(長期の好景気)をもう一度迎えるというのは、不可能に近いくらい難しいことだと思う。

けれど20年後30年後の未来には何が起きているかわからないから、
「インフレは絶対に起きない」
と決めつけてしまうのも危険だと思う。
そのため保険で長期運用をする場合は、インフレに強い積立利率変動型配当付きの保険を選択しておいたほうがよいと個人的には思う。この両者は実質的にはほぼ同じ保険になっている。


終身保険(配当付き)≒積立利率変動型終身保険


詳しくは下記の参考リンクを見てもらえればと思う。

◆参考リンク

インフレと保険 > インフレに強い保険、弱い保険は?

なるほど。
次ページでは積立利率変動型終身保険の種類について見ていくよ。