就業不能保険(長期の所得補償保険)は必要か?

記事更新日:2017.11.19


前回、自営業者の方には、傷病手当ての代わりになる短期の所得補償保険への加入を強く推奨していた。
そうだったね。
けど短期ではなく、
長期の所得補償保険(就業不能保険)
も一部の保険会社が販売している。収入保障保険就業不能特約を付加できるものもいくつかある。これらの保険がどういう保険なのかみていきたい。


就業不能保険(長期の所得補償保険)はどのような保険か?

ケガや病気で働けなくなってしまった場合、サラリーマンの場合は健康保険の傷病手当金を最長で1年半は受け取れる。
自営業者の場合も、前ページで紹介した団体向けの所得補償保険に加入すれば、保険金を最長で1年程度は受け取れる。
けれど逆にいえば、それを過ぎたらもう傷病手当金や保険金は受け取れなくなってしまう。
それだったら、もっと長期間お金を受け取れる保険に別途加入しておいたほうがいいんじゃ?
そう、まさにその
もっと長期間お金を受け取れる保険
が、下のような長期の所得補償保険(就業不能保険)なんだ。


働く人への保険2(ライフネット生命)
くらすプラス(チューリッヒ生命)
給与サポート保険(アフラック)
生活費(日本生命)
など

おお~。じゃあこういう保険に加入しないと!そうじゃないと傷病手当ての受給期間が切れた時にまだ働けない状態だったら、生活できなくなっちゃうよね?
いやさすがに国もそこまでバカじゃない。受給期間を過ぎた時にも働けない状態が継続している可能性があることくらいは考慮している。受給期間が切れた時に、

「はい。傷病手当ては打ちきりです。働けなくてももうお金は出しません。」

とはならない。
そっか、そこまでオニじゃないか・・・。でもじゃあどうなるの?
そういう時のためにあるのが障害年金制度生活保護制度だ。

例えば、傷病手当ての受給期間が過ぎた時点でもガンや糖尿病などの病気で生活や仕事が制限される状態の場合は、障害年金を受け取れるようになる。
(詳細はこちら
生活保護制度も不正受給問題などで悪いイメージがついてしまっているけど、病気やケガなどで働くことができない人を救済するためにある制度だ。
なるほど。じゃあ加入しなくて大丈夫か!
そうだね。
加入していなくても生活できなくなってしまうということはない。
最悪でも家族みんなが餓死してしまうなんてことはあり得ない。

けれど、障害年金も生活保護も贅沢に暮らせるほどのお金が支給されるわけではないので、それまでの生活レベルを維持することはできなくなってしまう可能性が高いと思う。私も父親なので希望を言えば、自分が働けなくなってしまったとしてもそれまでと同じ生活レベルを維持できたらと思う。
それを可能にするのが、上記の表のような長期の所得補償保険(就業不能保険)だ。


◆もしも亡くなってしまった時にお金がおりることで、

それまでの生活レベルを維持可能にする保険
↓↓
収入保障保険



◆もしも高度障害状態になってしまった時にお金がおりることで、

それまでの生活レベルを維持可能にする保険
↓↓
収入保障保険



高度障害状態までは至らなかったとしても、ケガや病気で長期間

働けなくなってしまった時にお金がおりることで、それまでの生活レベルを維持可能にする保険
↓↓
長期の所得補償保険(就業不能保険)

 




※ライフネット生命の働く人への保険2(保険期間65歳まで、免責期間180日)の場合


なるほど、じゃあ余裕があれば加入したほうがいいのかな?
それは個人の価値観や予算次第だけど、加入を検討する価値はある保険だと思う。
なるほど。ちなみに先生は加入しているの?
いや、私も検討したことはあるけれど、加入は見送ったんだ。
なんで?


長期の所得補償保険(就業不能保険)は必要か?

一般的に長期の所得補償保険(就業不能保険)は、現役で働いている世代が働くことができなくなってしまった場合に給付金を受け取れる保険だ。この現役時代に長期間働けなくなってしまうケースで1番多いのは、うつなどの精神病。これに三大疾病や交通事故、不慮の事故で大半を占めると言われている。


◆現役時代に就業不能となってしまう主な原因

・精神病
・三大疾病(ガン、急性心筋梗塞脳卒中
・交通事故や不慮の事故(スキー、その他レジャー)

なるほど。
ところがこの就業不能保険は一般的に精神病は保障対象外となっている。チューリッヒ生命など一部の保険だけは精神病も対象となっているけれど、給付条件は厳しい上、給付期間も一般的に短めになっている。
なるほど。1番働けなくなってしまうケースが多いのに、保障が薄くなっているというのは残念だね。
そうだね。実際、うつ病などで働けなくなってしまった人が、保険会社に連絡して給付を申請したら、

「精神病の場合は給付できません」

と言われてトラブルになるケースも多いと聞く。

まあ保険会社の立場からすると、精神病は回復したかどうかの判断などが難しいものだから、給付対象外にしたいというのもわかるけど・・・。
なるほど。
そして続いて三大疾病。
これは三大疾病の保険はそもそも必要か?で詳しくは記載しているけれど、個人的には三大疾病のうちの急性心筋梗塞脳卒中は、自己努力で発症を大幅に抑えられると思っている。そして残るガンについては、やはりガン保険が1番費用対効果が高いので、ガン保険で備えるのがベストだと思っている。
ああ、そんな話あったなあ。
そして最後に交通事故や不慮の事故。これについては自動車保険やスキー保険、レジャー保険などでピンポイントに備えるほうが有効だと思う。
なるほど。ん?そうなると就業不能保険の出番があまりないような・・・。
そうなんだ。


就業不能となって
しまう主な原因
長期の所得補償保険(就業不能保険)が効果的か?
精神病 あまり効果的ではない

給付期間が短い保険が多いため
三大疾病 あまり効果的ではない

ガンはガン保険のほうが有効。
急性心筋梗塞と脳卒中は自己努力で大幅に発症を抑制可能。
交通事故
不慮の事故
あまり効果的ではない

自動車保険やスキー保険、レジャー保険などでピンポイントに備えるほうが有効。


このように整理した結果、長期の所得補償保険(就業不能保険)は

「高い保険料を払ってまで加入する必要はないかな・・・」

と私は判断したんだ。
なるほど。
あくまで私の個人的な判断なので、最終的には御自身の価値観や予算などを踏まえて必要か必要でないかは判断してもらえればと思います。


◆2017.11.19追記
近年、徐々にいろいろな保険会社が就業不能保険を発売開始し、この保険に対する関心が高まっているようです。そこで改めて、

「就業不能保険に加入するとしたら、どの保険がよいか?」

などを次ページ以降で検討してみますので、よかったらぜひ読んでみてください。


ポイント

就業不能保険(長期の所得補償保険)は、長期間働くことができなくなってしまった場合でも、障害年金などの公的補助の不足分を補いそれまでの生活レベルを維持できるようになる保険。