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基本的な保険用語の解説

作成日:2015.3.3 確認日:2024.7.4

基本的な保険用語11選

それでは基本的な保険用語について見ていくよ。
保険用語は多すぎるので、ここでは下の11個で。
ういす。


契約者


契約者

契約者は文字通りだけど、保険会社と保険契約を結ぶ人だ。そして契約を結んだあとは、その契約の管理権限を持つようになる。例えばAさんが契約者となった場合、解約をしたり保険料の支払方法を変更したりするのは契約者であるAさんしかできない。
なるほど。契約者以外の人が勝手に解約したりすることはできないってことか。
そうだね。


被保険者

被保険者は保険の対象になっている人のこと。
例えば被保険者がAさんになっている定期保険の場合、Aさんがもしも亡くなってしまった時に保険会社からお金(死亡保険金)を受け取れる。
被保険者がBさんになっている医療保険の場合であれば、Bさんがもしも入院をした場合、保険会社からお金(入院給付金)を受け取れる。
なるほど。被保険者以外の人が亡くなったり入院したりしても、保険会社から保険金や給付金は受け取れないってことか。
そうだね。


保険料

保険料は保険会社に支払う保険の料金のこと。例えば月払保険料5,000円の保険の場合は毎月5,000円を、年払保険料10万円の保険の場合は年に1回10万円を、保険会社に払わなくちゃいけない。
なるほど。保険金で保険料ね。


保険期間(保障期間)

保険期間は、保険契約が有効な期間のこと。保障期間ともいう。
例えば
「保険期間:30年」
収入保障保険の場合、契約してから30年以内にもしも被保険者が亡くなってしまった場合、保険会社からお金を受け取れる。

「保険期間:終身(一生涯)」
がん保険の場合なら、何歳でガンになってしまった場合でも保険会社から給付金を受け取れる。

「30年」や「60歳まで」といったように保険間がまっている保険を定期型定期タイプ、保険期間が終身(一生涯)の保険を終身型終身タイプとよく呼ぶ。
なるほど。


保険金と給付金

まずは保険金。保険金には、死亡保険金や満期保険金などがある。
死亡保険金は被保険者がもしも亡くなってしまった場合に保険会社から受け取れるお金。満期保険金は保険期間が満期を迎えた時に保険会社から受け取れるお金だ。
例えば、


被保険者:Aさん
死亡保険金:500万円


という定期保険でAさんがもしも亡くなってしまった場合、遺族が死亡保険金として500万円を受け取ることができる。
なるほど。給付金は?
給付金には、入院給付金、手術給付金、ガン診断給付金などがある。
例えば、


被保険者:Aさん
入院給付金:日額1万円


という医療保険で、もしもAさんが5日間入院した場合、入院給付金として保険会社から5万円を受け取ることができる。
うーん、どっちも保険会社から受け取れるお金というのは一緒なのに、なんで名前が違うの?保険金と給付金の違いがなんかあるのかな?
ああ、あるんだ。
「保険金」という名称のものは、保険会社から受け取ると保険契約が消滅する。
一方の「給付金」のほうは、受け取ったあとも通常は保険契約が継続するんだ。


◆死亡保険金や満期保険金

受け取ると保険契約が消滅する。


◆入院給付金や手術給付金

受け取ったあとも保険契約は継続する。
つまりその後も給付金を受け取れる可能性がある。

なるほどなあ。ん?「通常は」ってことは例外があるの?
そうだね。例えばガン保険の中には、ガン診断給付金を受け取るとそれで保険契約が消滅するものがあったりね。
なるほど。


主契約と特約

主契約は初めからメニューに組み込まれていて外すことができないもの。
特約は好みで追加できるオプションといったところかな。


例えば、A社が販売しているガン保険は

主契約:ガン診断給付金
特約:入院給付金、手術給付金、先進医療給付金


B社が販売しているガン保険は

主契約:ガン診断給付金、入院給付金、手術給付金
特約:先進医療給付金


となっていた場合。
A社の場合はガン診断給付金だけで契約できるけど、B社の場合は入院給付金と手術給付金も必ず付いてきてしまうというわけだ。
なるほど。


A社のラーメンが

主契約:麺
特約:チャーシュー、煮卵、メンマ


B社のラーメンが

主契約:麺、チャーシュー、煮卵
特約:メンマ


みたい感じだね!
うーん、メンマのほうが煮卵よりも初めから付いてることが多いような・・・。
でもまあそんな感じでOK!


受取人

受取人は、保険会社から保険金を受け取る人のこと。死亡保険金受取人や満期保険金受取人などがある。例えば、


被保険者:Aさん
死亡保険金:500万円
死亡保険金受取人:Bさん


という定期保険でAさんがもしも亡くなってしまった場合、Bさんが死亡保険金500万円を受け取ることができる。
なるほど。


年金と一時金

年金というと、一般的には老後に受け取れるようになる年金(老齢年金)のことをイメージする方が多いと思うけど、保険契約の話の中では

「年金=複数回に分けて受け取れるお金」

と考えるとわかりやすいと思う。
例えば、

「死亡保険金500万円を年金で受け取る」

というのは、500万円を複数回に分けて受け取るということ。

「年金月額10万円を10年間受け取る」

というのは、毎月10万円を10年間(総額1,200万円)受け取るということ。
なるほど。じゃあ「年金」の逆は?
一時金(いちじきん)だね。例えば

「死亡保険金500万円を一時金で受け取る」

というのは、500万円を1回でまとめて受け取ることになる。
なるほど。


解約返戻金

解約返戻金(かいやくへんれいきん)は、解約をした時に戻ってくるお金のこと。
解約払戻金(かいやくはらいもどしきん)ともいう。
解約返戻金は契約者が受け取る。例えば


契約者・被保険者:Aさん
死亡保険金受取人:Bさん


という終身保険を解約した場合、解約返戻金受取人は契約者であるAさんになる。
うーん、ややこしいな。それに保険って解約するとお金が戻ってくるものなの?
いや、どんな保険でも戻ってくるわけではない。
貯蓄重視の保険
学資保険終身保険個人年金保険など)
は解約すると多額の解約返戻金を受け取れることが多いけど、
保障重視の保険
収入保障保険ガン保険定期保険など)
は解約しても解約返戻金は全くないか、あってもわずかなケースがほとんどだ。

はじめから解約返戻金しと決められている保険もある。そのような保険を専門的には

無解約返戻金型(むかいやくへんれいきんがた)

というけど、一般的にはよく

掛け捨て(かけすて)

と呼ばれている。
掛けた保険料が戻ってこない
(=捨てられたような感じ)
ってことでこう呼ばれているんだと思う。
なるほど、「掛け捨て」は確かによく聞くね。
「無解約返戻金型」っていうのもパンフレットに書いてあるのを見たことあるなあ。
無配当(むはいとう)っていうのもよく見るよね?
そうだね。配当については次の次で。


返戻率

返戻率(へんれいりつ)は、保険会社に払った保険料総額に対し、保険会社から受け取ったお金がどれくらいかを表したものだ。戻り率ともいう。

例えばある学資保険で、保険会社に払った保険料総額が100万円、保険会社から受け取った学資金の総額が120万円だったら、返戻率は120%だ。


払った保険料総額:100万円
受取総額    :120万円
返戻率     :120%

なるほど。
100万円払って80万円しか受け取れなかったら、返戻率は80%ってことだね。


払った保険料総額:100万円
受取総額    :80万円
返戻率     :80%



返戻率が100%超なら黒字、100%未満なら赤字ってことか。
そういうこと。


配当

次は配当。これは詳しく書くととても長くなるのでここでは少し。
簡単にいってしまうと配当は、
保険会社が加入者から多めに徴収していた保険料を加入者に返却するお金
なんだ。
多めに徴収していた保険料?保険会社って保険料をぼったくってるわけ??
いや、ぼったくろうとしているわけではないんだけど、保険料の設定っていうのは恐ろしく難しいんだ。
例えば変な話だけど、とんでもなく面白いゲームが若者の間でブームになって、そのせいで若者が全体的に運動しなくなって体力が低下して、若い人の死亡率が今よりも高くなってしまったら・・・。
保険会社は予想以上にたくさんの人に死亡保険金を払わなくちゃいけなくなるよね?
そうだけど・・・。
まあ本当に変な例え話だったけど、将来の死亡率
予定死亡率という)
が予想よりも少し高くなっても保険金を払えるように、保険会社は

「加入者から少し多めに保険料をもらっておいて、余ったら返す。」

というスタンスを取っているんだ。この余ったら返すお金が配当なんだ。
実際には予定死亡率に加え、予定利率予定事業費率という要素も含めて保険料や配当額は決められている。


予定利率

保険会社が
「加入者から集めた保険料を、これぐらいの利率で運用していけそうだから、これくらいは保険料を割引しても大丈夫かなあ~」
と予想したもの。


予定事業費率

保険会社が
「保険事業を行っていくにあたって、将来的にはこれぐらい経費がかかりそうかなあ~」
と予想したもの。

なるほど。で、無配当って書いてある保険は配当がないってことだね?
そうだね。逆に配当がある保険は有配当保険配当付き保険といわれる。有配当保険は更に3利源タイプ利差配当タイプの2つに大きく分けられる。



無配当保険
配当なし
有配当保険 3利源配当タイプ
予定死亡率、予定利率、予定事業費率の3要素から配当額を決めるタイプ。
つまり、
「予想よりも亡くなる方が少なかった」
「予想よりも高利率で保険料を運用できた」
「予想よりも経費がかからなかった」
の3要素から、配当額を決めている。
有配当保険 利差配当タイプ
予定利率の1要素だけで配当額を決めるタイプ。つまり、
「予想よりも高利率で保険料を運用できた」
という場合のみ配当が生じる。


なるほど。そういえばパンフレットによく、
「5年ごと利差配当」
とか書いてある気がするなあ。
そうだね。それは文字通りだけど、5年ごとに運用成果を出して配当額を決めている保険だ。
なるほど。なんか配当がある保険はちょっとしたお楽しみがある感じでいいね!
お楽しみどころか、配当のある保険はインフレに比較的対応できるので、保険を選ぶ際には超重要な項目なんだ。

保障重視の保険
定期保険収入保障保険がん保険など)
に加入する場合は無配当でも構わないけど、
貯蓄重視の保険
学資保険終身保険個人年金保険など)
はインフレに対応できる有配当または積立利率変動型をできる限り選択すべきだと私は思う。
興味があれば下記の参考リンクを見てほしい。


◆参考リンク

コラム >インフレと保険

なるほど。
長くなってしまったので基本用語解説はここまで。
次のページでは実際に保険に加入する流れを見ていくよ。

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