明治安田生命
米ドル建・豪ドル建 一時払い養老保険 評価
記事更新日:2019.4.9
評価データ
評価 | |
リンク | ・公式サイト(米ドル建て) ・発売告知2018年12月(豪ドル建て) |
はじめに
どんな保険か解説する前にあらかじめ記載しておきたいのですが、この保険は専門用語がかなり出てくる難しい保険です。 為替手数料、為替リスク、債券、国債、円高、円安、市場価格調整 などの用語を理解している方でないと、この保険を理解するのは難しいと思います。そしてこの保険に限ったことではありませんが、 自分が理解していない保険は絶対に加入しない方がいいと思います。 そしてこれらの用語を理解している方や、これから理解しようという気力のある方でしたら、この保険に加入するよりも自分でネット証券会社などで外国債を購入して運用したり、NISAなどに挑戦するほうが個人的にはおすすめです。この保険は言ってしまえば、保険会社が加入者から受け取った保険料から自分達の利益などを差し引き、残りで外国債を代行購入して運用していくという商品ですが、代行ならではの手数料や制約がやはり重いからです。 参考リンク:資産運用方法のまとめはこちら |
どんな保険か?
当初記事作成時点(2018年5月中旬)の以下の契約例の場合でみていきます。 なお、ここでは以後、TTM(基準レート)が記事作成時点の 「1ドル=110.33円」 で常時推移したと仮定します。また米国債の金利も変動しないと仮定します。 被保険者:60歳男性(満期時70歳) ◆加入時 一時払い保険料は円で払います。 ◆保険期間が満了したら 満期保険金115,312ドルを受け取ります。円で受け取ることもドルで受け取ることも可能です。 |
自分で米国債を購入したらどうなるか?
保険に加入する時と似た条件で、自分でネット証券会社などで米国債を購入したらどうなるか、シミュレーションしてみます。 まずは一時払い保険料と同額の1,000万円を、為替手数料が安い銀行などでドルに換えます。例えば住信SBIネット銀行なら記事作成時点は1ドルあたり4銭です。1ドルあたり4銭でドルに換えると1,000万円が90,604ドルになります。 これでネット証券で米国債を買い付けます。 記事作成時点では、SBI証券などのネット証券では10年もの米国債(ストリップス債)が利回り2.8%程度(税引き前)で販売されていました。 なお通常は100ドル単位や1,000ドル単位でしか購入できませんが、今回はあくまでシミュレーションなのでぴったり90,604ドル分の米国債を購入したとします。 10年後の償還期限を迎えると約115,973ドルを受け取れます。これを同じく為替手数料1ドルあたり4銭で円に戻します。すると以下のようになります。 利益 税引き前:約279万円 利益(償還差益)は約20%が税金で引かれてしまうため、税引後の利益は約223万円です。 保険の場合は税引き後の利益が約250万円でしたので、10年間運用した場合の資産運用力だけでみれば保険のほうが上です。満期保険金は一時所得となり、利益のわりに税金が少なくて済む点がやはり大きいです。 |
保険の場合は途中で解約したり亡くなってしまったりすると不利
10年間運用した場合は、保険のほうが利益が大きいため有利でした。 しかし途中で解約したり亡くなってしまったりすると保険のほうが不利です。 ◆保険期間中に亡くなってしまった場合 災害で亡くなってしまった時には災害死亡保険金、 ◆途中で解約した場合 解約返戻金を受け取れるのですが、この金額は死亡保険金額相当 |
まとめ
駆け足で見てきましたが、重要なのは以下2点だと思います。 ①保険期間満期まで加入し満期保険金を受け取った場合は、自分で米国債を購入した場合より利益が少し大きくなるため保険のほうが有利。 そして個人的には、①のメリットよりも②のデメリットのほうがやはり大きいと思いますので、自分で購入のほうが有利だと思います。 そのためこの保険の評価をとしました。 あくまで私の個人的な評価ですが、よかったら参考にしてみてください。 また、多くの銀行で販売されていることから、高額な退職金を受け取った定年退職者をターゲットにしていると思われますが、安易に加入しないよう注意してください。 |