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【医療保険の解説2】健康保険は最強の医療保険

更新日:2018.7.5 確認日:2024.9.3

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※9/3 11時アップ予定


高額療養費制度や付加給付制度のおかげで医療費は思ったよりも安くなる

今日は健康保険の凄さを見ていくよ。

まずは基本だけど、病院の窓口で患者が負担するのは3割だけだ。
(小学生未満と70~74歳は2割。75歳以降は1割。現役並所得者を除く。)
なので仮に医療費が10,000円かかったとしても、実際に患者が払うのは3,000円だけでいい。


◆治療費が10,000円かかった場合

健康保険が出してくれるお金:7,000円
患者が払うお金(自己負担額):3,000円

うん、それくらいは知っているよ。3割でも多い気がするけどなあ。
いやいや、他の国では10割負担というところもざらにあるんだ。10割負担だと盲腸で入院するくらいでも100万円近くお金がかかったりするんだよ。7割を負担してくれるというだけでもすごい保険なんだ。
そうなんだ。じゃあ日本で盲腸で入院したら自己負担は3割でいいから、100万円の3割で30万円くらいしかかからないってことだね!
いや、もっと安くなるんだ。9万円くらいだ。
なんで?
高額療養費制度というのがあり、1ヶ月当たりの自己負担の限度額は最高でも9万円くらいにしかならないようになっているんだ。
(年収770万円くらいまでの方の場合)

例えば盲腸で入院して医療費が100万円かかった場合、3割負担だと30万円になるけど、高額療養費制度によって自己負担限度額は87,430円になるので、患者は87,430円しか払わなくていいんだ。


◆治療費が100万円かかった場合

健康保険が出してくれるお金:912,570円
患者が払うお金(自己負担額):87,430円

へえ~。随分気前よく値引きしてくれるんだね!どんなにお金がかかったとしても、実際に払わなくちゃいけないのは1ヶ月9万円くらいまでってことか。じゃあもし半年間も入院することになっても、
9万円×6ヶ月=54万円
でいいわけか。思ったよりはかからないな・・・。
いや、もっと安くなるんだ。
直近の1年間に高額療養費制度の自己負担限度額(80,100円)を払った月が3回あった場合、4回目からは更に安くなり1ヶ月あたりの限度額は44,400円になる。
(年収770万円くらいまでの方の場合)
例えば半年間入院し、毎月医療費が100万円かかった場合の自己負担額は下の通り。


経過 医療費 健康保険が
出してくれるお金
患者が払うお金
(自己負担額)
1ヶ月目 100万円 912,570円 87,430円
2ヶ月目
3ヶ月目
4ヶ月目 955,600円 44,400円
5ヶ月目
6ヶ月目
合計 600万円 5,604,510円 395,490円


すごいな・・・。
でもこれってたまたま1人が多く入院した場合でしょ?家族が少しずつ病院にかかったらどうなるの?
ふふ、実は一定条件はあるものの、家族の医療費を合算することも可能なんだ。
例えば嫌な話だけど、家族4人が全員食中毒になって1週間入院し、1人20万円ずつ医療費がかかった場合は下記の通り。


家族 医療費 健康保険が出してくれるお金 患者が払うお金(自己負担額)
20万円 14万円 6万円
20万円 14万円 6万円
長男 20万円 14万円 6万円
長女 20万円 14万円 6万円
世帯
合計
80万円 560,000円(高額療養費制度適用

714,570円(高額療養費制度適用
240,000円(高額療養費制度適用

85,430円(高額療養費制度適用


はぁ・・・、すごいね健康保険て。
そうだね。
でも更に言ってしまうと、会社員や公務員が加入している健康保険組合によっては付加給付制度というのがあり、もっと自己負担額が低くなるケースもざらだ。
例えば私が過去に加入していた関東ITソフトウェア健康保険組合の場合、1ヶ月の自己負担額は付加給付制度により2万円までとなっている。
なので例えば1年間ずっと入院したとしても、

2万円×12ヶ月=24万円

だ。

※付加給付の有無や内容は、ご自身が加入されている健康保険に確認をお願いします。

なるほどね・・・。
なんかこんだけ助けてくれる保険があるなら、わざわざ民間の保険会社の医療保険に追加で入る必要なくない?
そうだね、必要性はとても低いと思う。

結局、私的保険
(個人の自由で加入する保険)
は、公的保険強制保険
(法律などにより加入が義務づけられている保険)
を補うためのものだ。公的保険がしっかりしていれば、何も自分で追加で加入する必要はない。


保険種類 公的保険や強制保険
名称 保障内容と評価
自動車保険 自賠責保険 死亡事故を起こしてしまった時に相手に支払わる金額が
3,000万円しか出ないなど、到底不十分な保障内容。
よって民間の保険会社の自動車保険への追加加入は絶対必要。
医療保険 健康保険 今回のコーナーで取り上げている通り、充実の保障内容。
よって私的保険に追加で加入する必要性は低い。


なるほど、健康保険はすごいんだね。
しかしこんなに気前よくお金を出してくれちゃって、健康保険て赤字になったりしてないの?
なってます!
それもかなりね・・・。
こちらの記事によると、2024年度の健康保険組合の赤字額は6,578億円の見込みらしい。
6,000億円!?すごい額だなあ。
そうだね。
なので赤字を埋めるために、残念だけど今後も保険料はどんどん上がっていくだろうね。でもある意味、赤字になっているということは、保険料を支払っている我々の立場からすると割のいい保険とも言えるけどね・・・。
なるほど。ちなみにいくらくらい保険料は払っているの?
超概算だけど下の表のように感じかな。
都道府県、加入している健康保険、家族構成、介護保険料の有無などによって変わってくるので、あくまでイメージとして見てもらえればと。


年収 年間の保険料
自営業者の方
(国民健康保険)
会社員
(協会けんぽや健康保険組合)
400万円前後 50万円 50万円
600万円前後 70万円 70万円
800万円前後  90万円  100万円


めちゃめちゃ払ってるじゃん!
毎月4~9万円くらい払っている感じか・・・。
そうなんだよ。給与明細を見ていつも愕然としてるよ。こんなに取られるんかいと。
一応だけど、会社員は上の表の額の半分は会社が負担してくれる。とはいえ会社側だって、この負担がなければ社員の給料をもっと上げられると思うので、そう考えると結局のところは本人が全額払っているのと変わらないと思う。
たしかに。
そしたらもう、健康保険という超手厚い医療保険に超高額な保険料を払って加入しているわけだから、追加で民間の保険会社の医療保険に加入する必要はますますない気がするね。
そうだね。
ただ前回も書いたように、商品によっては加入するのも悪くないと思っている。
その商品はどんな商品かを、次回見ていくよ。

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