肺がん対策 禁煙で予防しCT検査で早期発見
記事作成日:2015.11.17
肺がんは世界一亡くなってしまう方が多いガン
まずは肺がんから。日本だけでなく世界でも最も亡くなってしまう方が多いのがこのガンなんだ。 | |
そうなんだ。うーん怖いなあ・・・。 | |
そうだね。まずは下記の表を見てほしい。 |
予防 |
かなりできる |
早期発見の可否 |
難しい |
早期発見時の5年生存率 |
比較的悪い |
うーん、早期発見時でも5年生存率が比較的悪い上に、早期発見が難しいのか・・・。 | |
そうだね。それが肺がんで亡くなってしまう方が多い最大の理由になっている。詳しく見ていきたい。 |
肺がんの早期発見時の5年生存率
0期または1a期という早期に発見できた場合の5年生存率は下の表のとおり。 |
ステージ0期 |
◆状況 がんは局所に見つかっていますが、表層の一部のみにある早期の段階 ◆5年生存率ほぼ100% |
ステージ1a期 |
◆状況 がんの大きさは3cm未満で、リンパ節や他の臓器に転移を認めない段階 ◆5年生存率70~80% |
※厳密には早期発見というのは1cm以下のことを指すようですので、1a期でも1cmを超えている場合は早期発見とは言わないようです。
※0期は悪性(ガン)ではあるものの、病変が上皮内に留まっていることから上皮内新生物(上皮内ガン)と呼ばれ、1a期以上のものは悪性新生物と呼ばれます。
なるほど。1a期でも5年生存率が70~80%くらいしかないのか・・・。 | |
そうだね。これは他のガンと比較しても悪いほうなんだ。胃がん、大腸がん、乳がんなどは100%近いからね。 |
肺がんの早期発見の可否
うーん、1a期でも5年生存率が70~80%しかないとなると、0期で発見できないとダメってことだよね? | |
そうだね。けれど残念ながら0期で発見できることはほとんどないようなんだ。肺がんは初期は自覚症状がほとんどないので自分では気付けない。となると健康診断や人間ドックで見つけるしかないけど、胸部レントゲン検査(X線)で見つけた時には既に進行してしまっている場合が多く、5年生存率は40%くらいしかないらしい。X線よりも小さいガンでも発見できるCT検査だと、1a期で発見できることが多くなるようなんだ。ただそれでも、肺の出入口付近にできるガンは太い血管と重なりやすいためCT検査でも発見率が悪いようなんだ。 |
◆状況別の5年生存率
自覚症状が出て発見した時 |
10~15%程度 |
レントゲン検査で発見した時 |
40%程度 |
CT検査で発見した時 |
1a期で発見できることも多く5年生存率は80%程度。 ただし肺の出入口付近にできるガンは発見率が低い。 |
(名古屋記念病院のサイトより)
うーん、なんだか悪い情報ばかりだなあ。 | |
そうだね。けれどここからは良い情報を! |
肺がんの予防
これは予想できるかもしれないけど、やはり喫煙者が圧倒的になりやすい。肺がんにはいくつか種類があるけれど、主な3つについては下の表のとおり。 (国立がん研究センターのサイトより編集) |
肺がん | ||||
肺腺がん (はいせん) |
扁平上皮がん (へんぺいじょうひ) |
小細胞肺がん | 全体 | |
占有率 | 男性40% 女性70% |
男性40% 女性15% |
15~20% | ー |
喫煙者が非喫煙者と比べて 何倍なりやすいか? |
男性2.3倍 女性1.4倍 |
男性11.7倍 女性11.3倍 |
扁平上皮がんと同様、 喫煙が大きな原因と 言われている |
男性4.4倍 女性2.8倍 |
禁煙による予防効果 | 大きい | とても大きい | ー |
なるほど、全体で見て男性で4.4倍、女性で2.8倍も高いのか。 | |
そうだね。それに自分が吸わなくても家族に喫煙者がいるなどで副流煙を吸ってしまっている人(受動喫煙者)は、そうでない人の1.3倍も肺がんになる可能性が高いと言われているんだ。 | |
ああ。副流煙ってたしか主流煙よりも有害なんだよね? | |
そうだね。 |
(厚生労働省の資料より抜粋)
なるほど。じゃあ禁煙が1番の予防だね。 | |
そうだね。私はタバコは吸わないので喫煙者の気持ちはわからないけど、喫煙者は 「タバコほどうまいものはない」 と言うのをよく聞くし、禁煙も難しいとも聞く。けれど肺がんという代償はあまりに大きすぎると思うし、肺がん以外にも様々な害がある。なのでやはり禁煙を強く推奨したいと思う。 |
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なるほど。けどさ、扁平上皮がんと小細胞肺がんは禁煙による予防効果がとても大きいけど、肺腺がんはそれらに比べると予防効果が小さいね。肺腺がんは肺がん全体のうち、男性で40%、女性は70%も占めているんでしょ?肺腺がんに効果的な方法は他にないのかな? | |
あるんだ。肺腺がんは大半が肺の奥のほうにできる。CT検査は先ほども触れたように肺の出入口付近にできる肺がんの発見率が低いのが弱点なんだけど、肺の奥のほうにできるガンの発見率はとても高く、1cm以下で発見できることもとても多いようなんだ。ちょっと情報がなかったけど、1cm以下で発見できれば3cm未満(1a期)の5年生存率(70~80%)よりも遥かに生存率が良くなるのは間違いないと思う。 1a期(3cm未満)の5年生存率 整理すると下記のとおり。 |
肺腺がん |
禁煙による予防効果は比較的低いが肺の奥のほうに主にできるためCT検査での発見率が高い。 ↓ 定期的なCT検査で1cm以下で発見することで完治する人が大幅に増える! |
扁平上皮がんや小細胞肺がん |
禁煙による予防効果がとても高い ↓ 禁煙で発症者を大幅に減少できる! |
なるほど。これはほんとに希望が持てる感じだなあ! | |
そうだね。 |
まとめ
ここまで見てきたように、肺がん対策には禁煙とCT検査の組み合わせがとても有効だと思う。 | |
うむうむ。けど禁煙はタバコ代がかからなくなるから経済的にもプラスだけど、CT検査っていくらするの? | |
そこが問題なんだ。私の勤務先で加入している関東ITソフトウェア健康保険組合のページだと、 一般料金 となっている。 |
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16,200円!?高いなあ。 | |
そうだね。なので気軽には受けられない。けれど一般的にガンは1cmの大きさになるまでに10年かかると言われている。CT検査は最低で5mmくらいから発見できるらしいから、3年に1回くらい受けるだけでも効果はとても高いと思う。 | |
なるほど。 | |
肺がんについてはここまで。ここまで読んでくれてありがとう! | |
お疲れさまでした~。 |