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ジュニアNISAシミュレーション2
~学資保険の短期払いプランの代用

記事更新日:2019.6.1

住宅ローン控除期間中に払いきってしまうなら短期払いプランがおすすめ

※今回のシミュレーションは、
前回の「ジュニアNISAシミュレーション1」
の応用になります。なのでまずは前回のシミュレーションページを読んでから、この続きは読んでもらえればと思います。



例えばだけど、田中さんの家庭は以下のような状況だとします。


◆田中家の状況

夫:40歳
妻:41歳
長女:7歳 学資保険加入済
次女:5歳 学資保険未加入

住居:マイホーム
(住宅ローン返済中で住宅ローン控除はあと5年残っている)

夫婦は現在、次女の学資保険を検討中。住宅ローン控除終了までの5年間のうちに保険料を払いきってしまうプランにしたいと考えている。

ジュニアNISAはどんな人に向いているか?
で取り上げていた事例だね。
そうだね。
おさらいだけど、学資保険は高校生くらいまで10年以上にわたって保険料を払い続けるプラン
(このような保険料の払い方を全期払いといいます)
が多い。
けれど近年は学資保険の金利が低下していることもあり、5年間や10年間で保険料を払いきってしまうプラン
(このような保険料の払い方を短期払いといいます)
も多く登場してきている。
例えばある会社の学資保険で下記のようなプランがある。


◆5年短期払いプラン

子ども:5歳
年払保険料:57万円
保険料払込期間:5年間
保険料総額:285万円
学資金受取方法:18~22歳の5年間、毎年60万円を受け取る
学資金総額:300万円

保険料総額285万円に対し、受け取れる学資金総額は300万円なんだから、


利益
=300万円-285万円
15万円

返戻率
=300万円÷285万円
=約105%


だね。なんかやっぱりもっと増えてほしいところだよね。
そうだね。このプランの運用利率を計算すると0.4%程度。学資保険は利率がいいものでもこれくらいが精一杯という感じだ。銀行の定期預金よりはマシとはいえ、とても魅力的とは言えない。

そこでこのページでは、上記の
「学資保険の5年短期払いプラン」
をジュニアNISAで代用したらどうなるか?
これをシミュレーションしてみたいと思う。


※学資保険の全期払いをNISAで代用する場合は、ジュニアNISAでなくつみたてNISAのほうが適しています。詳しくは
つみたてNISAに加入後のシミュレーション
を参照願います。



口座開設はSBI証券会社、運用商品は海外ETFを推奨。

前回のシミュレーションでは、運用商品を最初に80万円分購入してそれっきりだったけど、今回のシミュレーションでは先ほどの学資保険プランと同様、2019年から毎年57万円分の運用商品を5年間、合計で285万円分購入してみたいと思う。

ジュニアNISA口座を開設する金融機関と、ジュニアNISA口座で購入する運用商品は前回と同じを推奨したい。
ってことは、こんな感じだね。


どの金融機関で開設するか?
SBI証券
どのような運用商品を購入するか?
海外ETF(米国ETF)
※具体的なおすすめ銘柄はこちら
運用商品をいつ何万円分購入するか?
2019年1月に57万円分
2020年1月に57万円分
2021年1月に57万円分
2022年1月に57万円分
2023年1月に57万円分

楽天証券のジュニアNISA口座では海外ETF購入ができません。



ありがとう。
ただETFは金額指定購入ができないので、57万円分ピッタリ買うことは実際にはできないんだけど、今回はあくまでシミュレーションなのでピッタリ買えたと仮定してみていきたい。


2023年末以降はロールオーバーを順次していく

ジュニアNISAの非課税期間は通常NISAと同じく最大で5年間。具体的には、購入した年を1年目として、5年目の年末までとなっている。今回は2019年から2023年にかけて毎年57万円分ずつ購入している。よって下の表のとおり、

2019年購入分は5年目である2023年の年末まで
2023年購入分は5年目である2027年の年末まで

が非課税期間となる。


◆非課税期間はいつまでか?
西暦 購入してから何年目?
2019
購入分
2020
購入分
2021
購入分
2022
購入分
2023
購入分
2019年 1年目      
2020年 2年目 1年目      
2021年 3年目 2年目 1年目    
2022年 4年目 3年目 2年目 1年目  
2023年 5年目 4年目 3年目 2年目 1年目
2024年 5年目 4年目 3年目 2年目
2025年     5年目 4年目 3年目
2026年       5年目 4年目
2027年         5年目


なるほど。違う年に購入した分は、非課税期間終了の年も違ってくるんだね。難しいなあ。
そうだね。
けれどどの年に購入した分も、これから説明するように非課税期間終了時に
ロールオーバー(rollover=先送り)
をして非課税での運用を続けていくので、そんなに難しく考えなくて大丈夫。


2019年購入分の非課税期間は2023年末までだけど、前回同様
継続管理勘定(ロールオーバー専用勘定)
へロールオーバーをして2023年以降も非課税で運用を続ける。

2020年購入分の非課税期間も2024年末で終了してしまうけど、こちらも
継続管理勘定(ロールオーバー専用勘定)
へロールオーバーして非課税で運用を続ける。

2021年購入分の非課税期間も2025年末・・・以下同文。
2022年購入分の非課税期間も2026年末・・・以下同文。
2023年購入分の非課税期間も2027年末・・・以下同文。


2023年末 2019年購入分を継続管理勘定へロールオーバー
2024年末 2020年購入分を継続管理勘定へロールオーバー
2025年末 2021年購入分を継続管理勘定へロールオーバー
2026年末 2022年購入分を継続管理勘定へロールオーバー
2027年末 2023年購入分を継続管理勘定へロールオーバー


なるほど。そしたらどんな感じで増えていくのかな?
前回同様、運用商品として購入したETFが

分配金:年利回り2%で常時推移した
値上がり益:基準価額が毎年5%上昇した

と仮定すると、ETFの評価額は下の表のように値上がりしていくことになる。


西暦 次女の
年齢
ETFの評価額(万円)
2019年
購入分
2020年
購入分
2021年
購入分
2022年
購入分
2023年
購入分
合計
2019年1月 5 57 57
2020年1月 6 60 57 117
2021年1月 7 63 60 57 180
2022年1月 8 66 63 60 57 246
2023年1月 9 69 66 63 60 57 315
2024年末 10 73 69 66 63 60 331
2028年末 15 93 88 84 80 76 422
2031年末
ジュニアNISA口座から
現金の引き出しが可能に
18 107 102 97 93 88 489
2033年末
継続管理勘定での運用終了
20 118 113 107 102 97 539


うーん、すごい増え方だね。例えば18歳時点(2031年末)にETFをすべて売却し489万円を受け取ったとすると、


値上がり益
=売却額-購入額
=489万円-285万円
204万円


か。これに加えて、分配金もあるんだもんね。
そうだね。受け取れる分配金の推移と合計額は下の表のとおり。


西暦 次女の
年齢
分配金
(税引後)
2019 5 1.0万円
2020 6 2.1万円






2031 18 8.4万円
2032 19 8.8万円
2033 20 9.2万円
合計 91万円

※18歳時点までの
合計額は約73万円


えーとそしたら、18歳時点(2031年末)でETFを売却した時はこうだね。


値上がり益:204万円
分配金:73万円
利益合計:277万円

返戻率
=(売却額+分配金)÷購入額
=約197%


か。
で、2033年末に継続管理勘定での運用が終了すると、自動的に通常NISA口座が作成され、残っているETFは通常NISA口座にロールオーバーして非課税での運用を継続できるんだったよね?
そうだね。
ただし2019年時点ではNISA制度そのものが恒久化されていないので、2033年にはもしかしたら通常NISA制度自体が廃止されているかもしれない。まあさすがに先すぎる話なので、それはその時に考えればいいんじゃないかなと思う。個人的にはなんらかの形で制度は恒久化されると思うけどね。


学資保険短期払いプランとジュニアNISAの比較

最後に今回シミュレーションしたジュニアNISAと学資保険5年短期払いプランの比較を。
学資保険は、18歳から毎年60万円ずつ合計で300万円受け取ったと仮定。
ジュニアNISAのほうは、口座から現金が引き出し可能になる高校3年の12月末に運用商品をすべて売却したと仮定している。受け取り方が異なるので単純な比較はできないけど、参考程度に見てほしい。


学資保険
5年短期払いプラン
ジュニアNISA
毎年の支払額 57万円
(年払保険料を払う)
57万円
(ETFを購入する)
何年間支払うか? 5年間
支払額総額(ア) 285万円
受け取れるお金(イ) 300万円 562万円
利益(イーア) 15万円 277万円
返戻率(イ÷ア) 105 197
加入から5年以内に
もしも親が亡くなって
しまったら?

以後の保険料が払込免除に。
免除になっても予定通りの
学資金を将来受取可能。

特になし
インフレに対応可能か?
配当がある場合は可能
(無配当保険は不可)
可能
※一般的にインフレになるに
つれて株価も上昇するため


やっぱりジュニアNISAは利益や返戻率が圧倒的だね。
そうだね。学資保険のほうは加入から5年以内に
(つまり保険料を払い切るよりも前に)
もしも契約者である親が亡くなってしまった場合は、以後の保険料の払込が免除になるという保障機能があるけど、親が亡くなってしまった時の保障は保障専用の保険
収入保障保険定期保険など)
だけで十分だと思う。
なるほど。しかしちょっと出来すぎで怖いというか・・・。こんなに上手くいくかなあ。
期待値としては十分可能だと思うけど、ETFは固定金利ではないのでこの数字未満になってしまう可能性ももちろんある。けれどシミュレーションよりかなり低運用となってしまったとしても、学資保険よりは好成績となる可能性が高いと思う。
たしかにこれだけ差があるとね。それにあれだよね、もっと安全重視でいきたい場合は、例の国内債券インデックスファンドと米国株中心のインデックスファンドをミックスした方法があるもんね。

参考リンク:短期運用や安全重視なら国内債券インデックスファンド中心で
そうだね。
ちなみにそのミックスした方法で今回のシミュレーションをすると、

利益:56万円
返戻率:120%

と、ETFの時と比べるとだいぶ落ちてしまう。けどそれでも学資保険よりはかなり上なんだ。
ということで今回のシミュレーションはここまで。
ここまで読んでくれてありがとう。
お疲れさまでした~

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