2014年4月 遺族基礎年金の改正1
父子家庭も受給対象に
記事作成日:2014.5.29
専業主婦だった妻が亡くなった場合でも、夫と子供が遺族基礎年金を受給可能に
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2014年4月に遺族基礎年金が改正された。それについて今日は詳しくみていくよ! |
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ういす。 |
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じゃあ早速だけど、下の表を見てみて。 |
改正前後 | 時期 | 遺族基礎年金の受給対象者 |
改正前 | 2014年 3月まで |
死亡した者によって生計を維持されていた、(1)子のある妻と(2)子 |
改正後 | 2014年 4月以降 |
死亡した者によって生計を維持されていた、(1)子のある配偶者と(2)子 |
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上の表を見て何が違うかわかる? |
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いやいや、間違い探し問題を出すならせめて画像問題にしてよね。これは「妻」が「配偶者」に変わってるね。簡単すぎます。 |
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そうだね、ごめん。 |
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で、配偶者ってなに? |
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おっつ・・・。 まあ話し言葉ではないから私も大人になるまでは知らなかったかな。配偶者は婚姻相手という意味だ。 夫にとっての配偶者:妻 |
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うーんと、じゃあ夫がもし 「配偶者はいますか?」 と聞かれたとしたら、それはイコール 「妻はいますか?」 ってことかな? |
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そうだね。 |
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じゃあ受給対象者が「妻」から「配偶者」に変更になったってことは、夫婦両方が受給対象者になったってこと? |
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そういうこと。扶養控除を廃止したり消費税率を上げたりと改悪ばかりしている日本政府にはめずらしく、これは改悪ではなく改良だ。 |
改正前後 | 時期 | 遺族基礎年金の受給対象者 |
改正前 | 2014年 3月まで |
死亡した者によって生計を維持されていた、(1)子のある妻と(2)子 ↓ ![]() |
改正後 | 2014年 4月以降 |
死亡した者によって生計を維持されていた、(1)子のある配偶者と(2)子 ↓ ![]() |
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なるほどね。というか、むしろ今までが変なシステムだったんだね。夫が亡くなってしまった時しか受け取れなかったなんて。 |
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そうだね。まあこの制度が定められたのは1960年代らしい。当時は夫が働いて妻は専業主婦というのが一般的だったから、夫が亡くなって収入がなくなってしまった妻を支えるための制度だったんだ。 |
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そうなんだ。今は違うよね。僕のまわりでも共働きの友達のが多いと思うなあ。 |
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そうだね。1990年代には共働きの家庭の数が専業主婦家庭を抜いている。時代が進むにつれ男女が平等になってきているんだ。なので今回の改正はむしろ遅すぎたくらいだ。 |
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なるほどね。じゃあようやく時代にあった男女平等な制度に改正されたってことだね。 けどさ、受給対象者のところに、 「死亡した者によって生計を維持されていた、子のある配偶者と子」 って書いてあるけど、 「死亡した者によって生計を維持されていた」 ってことは、専業主婦だった妻がもしも亡くなってしまった場合は受け取れないってことかな? |
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いや、実は専業主婦だったとしても受け取れるんだ。 |
「死亡した者によって生計を維持されていた」の意味は?
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確かに、 受給対象者 ⇒ 死亡した者によって生計を維持されていた子のある配偶者と子 と記載してあると、いかにも ・働いていた夫が亡くなり、収入がなくなってしまった妻と子 か ・働いていた妻が亡くなり、収入がなくなってしまった夫と子 しか受け取れないような書き方だよね。 |
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うんうん。 |
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けどそうじゃないんだ。結論からいうと、専業主婦だった妻が亡くなってしまった時でも、夫と子供はその後、遺族基礎年金を受け取ることができる。もちろん、妻がパートや自営業、会社員などであったとしてももらえる。 |
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そうなんだ!?専業主婦ってことは収入はなかったってことだから、夫と子供は専業主婦だった妻に生計を維持されていたわけではないのに? |
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いや、妻が専業主婦だったとしても、夫と子供は 妻に生計を維持されていたと解釈されるんだ。 |
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ん?どうして?? |
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とてもややこしいんだけど、ここでいう 生計を維持している人 というのは、 稼ぎがある人 ではなく、 家族の生活を支えている人 なんだ。例えば自営業者の夫と専業主婦の妻だったら 夫:働いて稼ぎを得ることで家族の生活を支える このように夫婦2人の力で家族の生活を支えている。つまり 夫も妻もどちらも生計を維持している人 ということなんだ。 |
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な~るほど・・・。確かに専業主婦はお金を稼いでいるわけではないけど、家事という大きな仕事をしてくれているんだもんね。 |
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そうだね。で、それを言い換えると、 夫 となる。つまり夫と妻はどちらも 生計を維持している人であり、生計を維持されている人でもある んだ。 |
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なるほどね。だから専業主婦の妻が亡くなってしまった場合でも、妻によって生計を維持されていた夫と子供が遺族基礎年金を受け取れるようになるということだね。 |
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そうだね。で、この改正は 「妻の生命保険料の節約に貢献可能」 という理由で、経済評論家などの間で評価されているようなんだ。 それについて次のページで見ていくよ。 |