年末調整の保険料控除申告書の書き方6
妻が契約者時の注意点
記事更新日:2020.10.16
妻が契約者の学資保険や収入保障保険は、夫の年末調整で申告してはいけない
夫:会社員 妻:専業主婦や扶養控除以内(年収103万円以内※)のパート勤務 という家庭だと、年末調整で保険料控除申告をし税金を安くすることができるのは夫のみになる。そしてこの場合、夫の税金をなるべく安くすべく、家族みんなの保険を出来る限り夫の年末調整で控除申告したいところだと思う。 ※103万円の理由は、給与所得控除65万円と基礎控除額38万円の和です。 ※令和2年の年末調整時(令和3年3月の確定申告)から、給与所得控除が55万円、基礎控除が48万円となりますが、両者の合計額は103万円のままのため、引き続き年収103万円以内のパート勤務の方に所得税は発生しません。 |
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まあそれはもちろんだよね。 | |
そうだね。けれど保険によっては夫の年末調整で控除申告しないほうがいいものがあるんだ。それについて詳しく見ていくよ。 | |
そんな保険あるの? | |
ああ。例えば、下記のような収入保障保険の場合は控除申告しないほうがいいんだ。 ◆収入保障保険の契約例 契約者、被保険者、保険料引き落とし口座の名義人:妻 |
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これはもしも妻が亡くなってしまった場合に、夫が保険金を受け取れる契約だね。どうしてこれを夫の年末調整で控除申告しないほうがいいの? | |
契約者が妻名義の保険でも、夫の年末調整で控除申告することは可能だ。 しかし、収入保障保険などの死亡保険 (もしも亡くなってしまった時にお金が下りる保険) の場合、控除の申告をしてしまうと、もしも妻が亡くなってしまって死亡保険金を夫が受け取ることになった際、割高な税金を徴収される可能性がある。 なので申告しないほうがいいんだ。 (詳細な理由を知りたい方は下記の参考リンクを参照願います。) ◆参考リンク |
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なるほど・・・。どんな保険でもそうなの? | |
いや、がん保険や医療保険などは誰が給付金を受け取ることになっても非課税なので、申告しても問題ない。整理すると下記のとおり。 |
◆契約者が妻名義の保険を、夫の年末調整で控除申告してよいか?
・契約者、被保険者、口座名義人(クレジットカード名義人) ⇒ 妻 ・保険金受取人 ⇒ 夫や子 となっている死亡保険の場合 (終身保険、定期保険、収入保障保険など) |
申告しないことをおすすめします。 申告してしまうと、もしも死亡保険金を受け取ることになった時に、割高な所得税や贈与税が課せられる可能性があります。 |
・契約者、口座名義人(クレジットカード名義人) ⇒ 妻 ・祝金や満期金のどれかが110万円を超えている となっている学資保険の場合 |
申告しないことをおすすめします。 申告してしまうと祝金や満期金を受け取る時に、割高な贈与税が課せられる可能性があります。 |
・契約者、被保険者、口座名義人(クレジットカード名義人) ⇒ 妻 ・年金受取人 ⇒ 妻 となっている個人年金保険の場合 |
申告しないことをおすすめします。 申告してしまうと、年金受給開始時に、割高な贈与税が課せられる可能性があります。 |
がん保険、医療保険、所得補償保険の場合 |
申告してもOK ガン診断給付金、入院給付金など、治療に関する給付金は非課税のため、申告してOK。 |
なるほど。税金は難しいなあ。 | |
そうだね。上記以外に何か不明点などがあった場合は、申し訳ないけど保険会社などに確認してもらえればと思う。 それでは次のページでは最後に、控除申告をすることで実際にいくら節税になるかを見ていくよ。 |