払済保険とは?
記事作成日:2013.10.16
貯蓄型保険の保険料の支払いをストップさせたい時は、払済保険への変更が有利。
今日は払済保険(はらいずみほけん)について見ていくよ。 | |
ういす。 | |
払済保険は保険料の払込が済んだ保険だ。つまりもう今後は保険料を支払う必要がない保険ということになる。 | |
保険料を支払う必要がない保険?そんなものを保険会社は売っているの? | |
いや、この保険は保険会社の商品ラインナップにあるわけではないんだ。 例えば保険料が高額な終身保険に加入していた人が、毎月の保険料の支払いが経済的にきつくなったので支払いをストップさせたいと思った。どうすればいいと思う? |
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解約すればいいんじゃないの? | |
終身保険や学資保険、個人年金保険などの貯蓄型の保険は、保険料払込期間中に解約をすると、それまでに払い込んだ保険料総額を大きく下回る解約返戻金しか受け取れず大赤字になってしまうことが多いんだ。 加入してから間もないのであれば、赤字になってしまったとしても額が小さいからよいかもしれないけど、既に高額な保険料を払い込んでいる状態であれば解約はできれば避けたい。 |
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じゃあどうすればいいの? | |
解約ではなく保険会社に連絡して払済保険に変更をしてもらうんだ。どちらも保険料の支払いをストップできるけど、払済保険のほうが得になるケースが多い。整理すると下記のとおり。 |
解約した場合 | 払済保険に変更した場合 | |
以後の保険料の支払 | なくなる | |
主契約の保障 | なくなる | 減額されて残る (稀に増額するケースもあります。) |
特約の保障 | なくなる | |
解約返戻金 | 解約したと同時に受け取れるが、 その額はそれまでに払い込んだ 保険料総額と比較すると低いこ とがほとんど。(=損) |
変更した時には受け取れないが、 その後、任意のタイミングで解約を すれば受け取れる。 払済保険に変更してから年数を置いて 解約をした時の解約返戻金は、年数を 置かずにすぐに解約した場合よりも 通常高額になるため有利。 |
有利不利 | 大きく損をすることが多い | 解約するよりも有利になるケースが多い |
補足1 変更するとどうなるかシミュレーションをしてもらいましょう!
保険料の支払いを止めたい時や見直しをしたい場合は保険会社に連絡し、 ・すぐに解約した場合はどうなるか? ・払済保険に変更した場合はどうなるか? など、様々なシミュレーションをしてもらって下さい。良心的な担当者であれば払済保険に変更した場合の設計書を作成してくれると思います。 しかし、保険会社の担当者の中にはこのような要求に応えてくれない人もいます。むしろ渋る人のほうが多いと思います。 「だったら保障を減額して続けたほうがいいですよ」 などと気持ちを改めさせようとしてきます。 ひどい場合は 「この保険は払済保険への変更はできないんですよ」 などとウソを言ってくる人もいると聞きます。 そのような場合は、生命保険文化センターや、その保険会社の本社などに相談されることをおすすめします。 |
補足2 低解約返戻金型終身保険は払済保険への変更が向いていません。
低解約返戻金型終身保険 は、保険料の払込期間中に解約すると通常の終身保険よりも低額の解約返戻金しか大損してしまう分、保険料を払いきった後に解約すると通常の終身保険よりも高額な解約返戻金を受け取れます。 しかし保険料払込期間中に払済保険に変更すると低解約期間が終身継続するため、契約時の保険料払込期間 (60歳までだった場合は60歳) を過ぎても解約返戻金は低いままです。ですので払済保険に変更した場合、その後どのタイミングで解約したとしても大損します。 よって、保険料の支払いが厳しくなってしまった場合は、残念ながら解約するしかないと思います。 |
補足3 取り急ぎまとまったお金が必要な場合は、契約者貸付を利用推奨
「取り急ぎまとまったお金が必要なので、保険を解約して解約返戻金を受け取りたい。」 という理由で解約をしようとする人はとても多いです。 しかしそういう場合は契約者貸付を利用したほうが有利なケースが多いです。 契約者貸付(けいやくしゃかしつけ) は、解約すれば受け取れるはずの解約返戻金の一部を借りることができる制度です。借りる時は利子はかかりますが、一般の消費者ローンなどと比較するととても低金利です。詳しくは自身の加入している保険会社に相談してほしいと思います。 ◆保険は続けたいけど、まとまったお金が必要な場合 契約者貸付の利用のみを推奨。 ◆保険料の支払は止めたいし、まとまったお金も必要な場合 払済保険に変更の上で、契約者貸付の利用を推奨。 |
貯蓄型の保険 (終身保険、学資保険、養老保険、定期付き終身保険、個人年金保険など) の保険料の支払いをストップさせたい時は、解約でなく払済保険への変更をしたほうが有利になるケースが多い。 ※定期保険、収入保障保険などの掛け捨てタイプの保険は、払済保険への変更はできません。 |