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住友生命 外貨建て一時払い終身保険 ふるはーとJロードグローバル・笑顔の約束 評価

記事作成日:2018.6.15


評価 商品名 販売金融機関 リンク
ふるはーと Jロードグローバル 全国の数多くの金融機関 公式サイト
パンフレット(2017年7月版)
笑顔の約束 三井住友銀行など


はじめに

上の表のとおり販売場所によって商品名が異なりますが中身は同じ保険です。
種別としては
外貨建て一時払い終身保険
に分類できます。
どんな保険か解説する前にあらかじめ記載しておきたいのですが、この保険は専門用語がかなり出てくる難しい保険です。


為替手数料為替リスク債券国債円高円安市場価格調整


などの用語を理解している方でないと、この保険を理解するのは難しいと思います。そしてこの保険に限ったことではありませんが、
自分が理解していない保険は絶対に加入しない方がよいと思います。

そしてこれらの用語を理解している方や、これから理解しようという気力のある方であっても、資産運用目的であれば加入はおすすめできません。この保険に加入するよりも自分でネット証券会社などで外国債を購入して運用したり、NISAなどに挑戦するほうが高運用が期待できるからです。この保険は言ってしまえば、自分が払った保険料で保険会社に外国債を購入してもらって代行運用してもらう商品ですが、代行運用にかかる手数料などがやはり大きいため資産運用力が低いのです。


参考リンク:資産運用方法のまとめページ


どんな保険か?

それではどんな保険かを見ていきます。
パンフレットに掲載されている以下のプランで見ていきます。


被保険者60歳女性
保険期間終身(一生涯)
一時払い保険料:10万ドル
払込通貨:
指定通貨:米ドル
予定利率3%
市場価格調整率:3%
加入時のTTM99.5円
加入時のTTS100円
初期死亡時円換算支払額最低保証特約あり(5年間)
死亡保険金(第1保険期間=加入から5年間):1,000万円
死亡保険金(第2保険期間以降=加入から5~15年後):177,760ドル
死亡保険金(第3保険期間=加入から15年以降):177,760ドル



◆加入時

一時払い保険料10万ドルを円で払います。
今回はTTSが100円なので1,000万円払うわけです。
加入時には告知が必要ですが、職業などの簡単な内容だけで加入できます。
払った保険料は一般の生命保険料控除の対象となるため、他の保険の加入状況次第では節税になります。

一時払い保険料から初期手数料(上限4%と記載あり)を差し引いた残りが、予定利率
(今回は3%)
で終身運用されていきます。
運用中も手数料(死亡保障やご契約の維持に必要な費用)が毎月差し引かれます。



◆亡くなってしまった場合

死亡保険金を受け取れます。
死亡保険金額は時期により異なります。

第1保険期間(加入から5年以内)は一時払い保険料と同額の10万ドルです。
あくまでドルで金額が固定されているため、加入時よりも円安になっていれば1,200万円となる可能性もあれば、円高になっていれば800万円にしかならない可能性もあります。
ただし今回は
初期死亡時円換算支払額最低保証特約あり(5年間)
としているため、加入時よりも円高になっていて800万円にしかならなかったとしても、加入から5年以内は円で加入時に払った保険料と同額の1,000万円を受け取れます。
これはおもしろい仕組みだと思います。もちろんその分だけコストはかかっていますが・・・。

第2保険期間(加入から5年後~15年後)と
第3保険期間(加入から15年以降)は177,760ドルです。
第1保険期間と異なり、円に戻した時の最低保証はありません。
もっとも余程の円高(今回なら1ドル=56円くらい)にならない限りは、円に戻した時に払った保険料1,000万円を下回ることはありません。

なお災害で亡くなってしまった場合は、第1保険期間であっても第2第3と同額の177,760ドルを受け取れます。



◆解約した場合

この保険は保険期間が終身(一生涯)の終身保険のため、亡くなるか解約するまでは契約が続きます。既述のとおり一時払い保険料は運用されて徐々に増えていきます。この増えていっている運用資産を積立金といいます。

解約をした場合は解約返戻金を受け取れます。
第1第2保険期間の解約返戻金額は積立金に市場価格調整を行った額です。
第3保険期間は市場価格調整を行いません。

今回の例の場合、第3保険期間開始時(加入から15年経過時)に解約した場合の解約返戻金は128,538ドルです。
加入時に払ったのが10万ドルですから、

利益:28,538ドル
返戻率:約128.5%

です。
この間の運用利率は約1.7%です。
正直なところ低いと思いますね。
予定利率は3%なのに運用利率が1.7%になってしまうということは、初期手数料や運用中の手数料がやはり重いのだと思います。



まとめ

この保険は多くの銀行で販売されていることから、高額な退職金を受け取った定年退職者をターゲットにしていると思われます。
しかし退職金を運用して増やしたいという目的なのであれば、個人的にはこの保険はおすすめできません。
一般的に保険のほうがやはり手数料や制約が多く資産運用力が劣るからです。
冒頭にも記載しましたが、この難しい保険に加入するくらいなら、自分でネット証券会社などで外国債を購入して運用したりNISAなどに挑戦するほうが個人的にはおすすめです。そのほうが資産が増える期待も大きいと思います。


一時払い終身保険はこちらのページの解説のとおり、相続対策にも利用できる保険です。ですので相続対策目的であれば、この保険も人によっては検討価値があると思います。けれど個人的には、相続対策で一時払い終身保険を利用するなら為替リスクのないこちらのページに記載の円建の保険で十分だと思います。
それに相続対策は誰でも必要ではありません。むしろ必要なのはごく一部の高額な資産がある方などだけです。

銀行員の勧めに乗って安易に加入しないよう注意してください。

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