ソニー損保 医療保険SURE 評価
記事作成日:2019.8.18
評価データ
商品名 | 医療保険SURE | |
総合評価 | ||
更新タイプ | 主契約 | 終身型 |
先進医療特約 | 終身型 | |
がん診断給付金 ※ |
給付回数 | 無制限 |
2回目以降の 給付条件 |
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上皮内がんの保障 | 診断給付金額が悪性新生物時の20%に減額。 給付回数も1回のみ。 |
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がん診断時に以後の 保険料払込免除 |
なし |
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パンフレット | ・2018年10月版 | |
契約のしおり約款 | ・2018年10月版 | |
リンク | ・公式サイト ・医療保険評価ランキング ・がん保険評価ランキング ・がん保険の選び方の結論 |
※この保険では「がん診断保険金」という名称
評価コメント
医療保険SURE(シュア) は、 「がんに手厚い医療保険」 というアピールで販売されている医療保険です。 しかし結論から書いてしまいますと、がん保険としても医療保険としても優良保険とは評価できないため、おすすめはできません。 |
医療保険として評価した場合
医療保険SUREは、保険期間が終身(一生涯)のため 「保険料は変わらず保障は一生涯続く」 という終身医療保険に分類できる保険です。 加入NG保険のコーナーで詳しくは記載していますが、終身医療保険は ・元を取ることがほぼ不可能 など、様々なデメリットがあるためおすすめできません。 老後は様々なリスクがあります。 長期間入院して多額の入院費用がかかるかもしれない。 このような様々な老後のリスクに柔軟に対応できるのはお金(貯蓄)です。 保険ではありません。 ですので私の持論ですが、終身医療保険や介護保険に加入して毎月保険料を払っていき、老後の医療費や介護費に備えようとするくらいなら、その分の保険料を老後のための貯蓄に充てるほうがよいと思います。 具体的な貯蓄手段は、60歳未満の方でしたらiDeCo、60歳以上の方でしたらつみたてNISAや個人年金保険がおすすめです。詳しくは下記の参考リンクを読んでもらえたらと思います。 ◆参考リンク ・iDeCo(個人型確定拠出年金) なお医療保険は加入するのであれば、若い年代(定年退職する頃まで)だけをカバーする定期医療保険を推奨します。詳細はこちら。 |
がん保険として評価した場合
がん保険は、下記2点を満たすものが優良保険の条件だと考えています。 ・がんの治療費が高額になってしまった時にしっかりと対応できる 医療保険SUREは、この条件を満たしません。 この保険の、がんに関連する給付金(保険金)は下記5つです。それぞれ詳しく見ていきます。 ・がん入院保険金 ・がん手術保険金 ・がん放射線治療給付金 ・がん診断保険金 ・がん通院保険金 がん入院保険金 がんの治療のために入院をしたときに受け取れる保険金です。例えば 「がん入院保険金:日額5,000円」 というプランであれば、1日あたり5,000円を受け取れます。 医療保険SUREの場合、がん以外の病気やケガで入院をした場合は、 「1入院:60日」 の日数制限があります。ですので例えば、大きなケガをしてしまい100日間入院したとしても、60日分しか保険金を受け取れません。けれどがんで入院した場合は日数制限がないため、100日間入院したら100日分を受け取れます。 ただしがん保険の入院給付金は一般的に日数無制限ですので、SUREだけの特別に優れたメリットというわけではありません。 がん手術保険金 がんの治療のために手術を受けたときに受け取れます。医療保険SUREの場合、がんで手術を受けたときは、がん以外の病気やケガで手術を受けたときの2倍の額を受け取れるようになっています。 がん放射線治療保険金 放射線治療を受けたときに受け取れます。ただし 「60日間に1回の支払い限度」 となっているため、ある60日間に1回受けたとしても5回受けたとしても、保険金額は同じです。 これはあまり条件がよくないと思います。例えば私が高く評価している チューリッヒ生命「終身ガン治療保険プレミアムDX」 は、放射線治療を受けた月ごとに給付金を受け取れます。おおよそ2倍の頻度で受け取れるわけです。それでいて保険料も安いですから有利だと思います。。 がん診断保険金 申し訳ないですが、最も低く評価するのがこのがん診断保険金です。 がん保険はこちらのページのとおり、診断給付金を「1年に1回」や「2年に1回」を限度に何度でも受け取れ、かつ給付条件のよいものを高く評価しています。 医療保険SUREのがん診断保険金は、「2年に1回」を限度に何度でも受け取れますが、2回目以降の給付条件がとても悪いです。 パンフレットに以下の記載があります。 2回目以降の給付条件について、下のほうに注意書きで 既に診断確定された悪性新生物を治療したことによりその悪性新生物が認められない状態となり、再度悪性新生物と診断確定されることを要します とあります。 ということは、例えばですが、 「進行がんと診断され、治療を受けるも残念ながら完治(寛解)することなく、診断されてから2年経過時も引き続き入院や通院により治療を受けていた。」 というケースでは、2回目の診断保険金は受け取れないということです。これは失礼ですが、欠陥ともいえる大きなデメリットだと思います。こんな状態でこそ保険の力が必要なはずなのに、なぜ給付対象外にしているのか理解できません。 がん通院保険金 は、がんの治療のために通院をしたときに受け取れる保険金です。 この保険金も給付条件がよくありません。なぜならこの保険金は、がんの治療のために入院をし、その後に退院してからでないと受け取れないからです。 他社のがん保険の場合は、例えばひまわり生命のように、入院有無にかかわらず通院給付金を受け取れる商品もあります。現在は通院治療が増えているのですから、入院を経なくても受け取れる商品のほうが有利なのは言うまでもありません。 |
まとめ
以上のとおり、医療保険SUREは、医療保険としてもがん保険としても低い評価をせざるを得ない保険です。特に、がん診断給付金の給付条件が悪い点が致命的なデメリットだと思います。その他の保険金の給付条件もよくありませんし、がんと診断されてしまったときに以後の保険料の払込が免除になる特約がない点も、個人的には弱点だと思います。 そのため厳しいですがと評価しました。 あくまで個人的な評価ですが、参考になれば幸いです。 |