明治安田生命 ベストスタイル&ベストスタイルJr. 評価と見直し方法
記事更新日:2018.6.5
評価データ
販売時期 | 保険種類 | 評価 |
2014年5月~ | 組立保険 |
リンク |
・公式サイト(ベストスタイル) ・公式サイト(ベストスタイルJr.) ・発売告知1(2014年4月) ・発売告知2(2014年4月) ・特約パンフレット(2018年6月版) |
評価コメント
5年ごと配当付組立総合保障保険 ベストスタイル と、その子供向けの商品である ベストスタイルJr.(ジュニア) は、長らく主力商品となっていたライフアカウントL.A.に代わり主力商品として発売された保険です。 ライフアカウントL.A.は、簡単に言ってしまえば定期保険や医療保険など、色々な保険がセット売りになった商品でした。そしてセット売りにすることでうやむやにしようとしていたのかもしれませんが、ひとつひとつの保険の保険料は他社と比較してとても割高でした。これは明治安田生命だけではないですが、大手会社は人件費などの経費がとても高いため、必然的に保険料が割高な保険が多いのです。 また、私がわざわざ記載しなくても、ネットで検索すればいくらでも悪い噂が出てくる悪名高いアカウント型保険でした。 ではこのベストスタイルはどういう保険かというと、アカウント型保険ではなくなりました。アカウント型保険はアカウント部分(貯蓄のような部分)が主契約となっています。主契約は必ず契約しなければいけない契約ですので、アカウント型保険は必ずアカウント部分を作る必要がありました。 対してこのベストスタイルは主契約がない保険なので、自分がほしい保険(特約)だけを組み合わせた保険を作ることができます。組立総合保障保険という名称通りです。 ではどんな組み合わせを保険会社はおすすめしてくるのか? 後ほど詳しく見ていきますが、結論を言うとライフアカウントL.A.と同じく、特約を山ほど組み合わせたプランを推奨してくるようです。そして1つ1つの保険を調べてみると他社と比較して保険料が恐ろしく割高な点も変わっていません。例えば定期保険(定期保険特約)は定期保険評価ランキングのとおり、安価な会社の2倍以上の高い保険料です。しかもほとんどの特約は10年更新ごとに保険料が上がっていきます。その上ほぼ掛け捨ての保険のため、これだけ高い保険料を長年払い続けても、将来的にリターンはほぼありません。 まとめると、主契約がなくなったという変更点はあるものの、いろいろな保険がセット売りになった商品であり、それぞれの保険の保険料がとても割高である点は変わっておらず、本質的には旧主力商品だったアカウント型保険と同じ保険です。 そのため加入はおすすめできません。 また、保険会社の勧めてくるプランに長年加入していると大げさでなく何百万~何千万円という財産を吸い取られてしまいますので、もしも加入されている場合は早急に見直しすることをおすすめします。 |
見直し方法
発売告知に記載のあるモデルプランを基に、私だったらどう見直すか? というのを見ていきたいと思います。 ◆主契約 このとおりたくさんの特約がセット売りになっています。そして特約は10年更新型のため、10年毎に自動更新する度に保険料が値上がりしていきます。 30歳で加入し40歳の更新のタイミングを迎えた時、もし私ならどう見直すか? という視点でみていきます。 入院治療保障特約 Ⅲ型 は、入院中の療養に係る診療報酬点数に応じた入院治療給付金を受け取れる特約です。 例えば、入院患者7人に対して常時看護師1人以上を配置した病院で入院をした場合の入院基本料 (7対1入院基本料) は、平成30年時点では1日につき1,591点です。 1点10円のため円に直すと15,910円です。 入院治療給付金=診療報酬点数×Ⅲ型(3円) のため、診療明細上の診療報酬点数が1,591点の場合は4,773円を受け取れるということです。 診療報酬点数に応じた給付金を受け取れるというのは、個人的には画期的で良い仕組みだと思います。 けれど保険料は割高のため、私ならコストパフォーマンスのよい医療保険評価ランキング上位の保険に加入した上で、この特約は解約します。 先進医療保障特約 は、先進医療を受けた時に給付金を受け取れる特約です。 私は先進医療特約はがん保険に付けることをおすすめしています。 (理由はこちら) そのため後ほど詳しく触れますが、他社のがん保険に加入する際に先進医療特約をつけます。そしてそのがん保険の保障が開始したら、この特約は解約します。 新・入院特約 は、ケガや病気で入院をした時に、1日あたり5,000円の給付金を受け取れる特約です。1回の入院で受け取れるのは最高180日分までですが、がんの入院に限り日数無制限となっています。私なら医療保険評価ランキング上位の保険に加入した上で、他の医療系の特約と一緒にこの特約は解約します。 退院後通院治療保障特約 Ⅲ型 は、先ほどの「入院治療保障特約 Ⅲ型」の姉妹品です。退院後に通院した場合の診療報酬点数に応じた通院治療給付金を受け取れます。また初回通院時は通院治療一時金1万円も受け取れます。 私なら医療保険評価ランキング上位の保険に加入した上で、他の医療系の特約と一緒にこの特約も解約します。 外来時手術保障特約 は、外来で手術を受けた時に給付金5万円を受け取れる特約です。外来で放射線治療を受けた時は2倍の10万円を受け取れます。 私ならこの特約も医療保険評価ランキング上位の保険に加入した上で解約します。 がん保障特約 は、 がんと診断されたり再発してしまった時などに、保険金200万円を2年に1回を限度に何度でも受け取れる特約です。 がん保険はとても価値の高い保険だと考えているため、私ならこの機に他社のがん保険への乗り換えをします。具体的にはがん保険評価ランキング上位の保険に加入し、保障が開始したらこの特約は解約します。がん保険は契約してから3ヶ月くらい経過しないと保障が開始されないため、保障開始前にこの特約を解約してしまわないよう注意が必要です。 6大疾病保障特約 は、 急性心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、高血圧性疾患、慢性腎不全、肝硬変 で所定の状態となってしまった時に、保険金200万円を受け取れる特約です。 特定疾病保障保険(三大疾病保障保険)をちょっとアレンジしたような保険ですね。 こちらのページで詳しくは記載していますが、私はそもそも心筋梗塞や脳卒中の保障は必要性が低いと考えています。 よってこの特約も私なら即時解約します。 これらの6疾病の保障もあったほうがよいということであれば、既述のとおり他社のがん保険に加入する際に、これら6疾病の保障もある朝日生命のスマイルセブンに加入するとよいと思います。 生活サポート定期保険特約 は、要介護3相当以上や身体障害等級2級以上となってしまった時などに、生活サポート保険金500万円を受け取れる特約です。生活サポート保険金を受け取ることなく亡くなってしまった時に限り、死亡保険金500万円を受け取れます。 個人的には要介護状態や身体障害状態となってしまった時の保障は必要性が低いと考えています。理由は、就業不能保険の必要性が低いと考えている理由と同じです。詳しくはこちらのページで触れていますのでよかったら読んでもらえればと思います。 よってこの特約は私なら即時で解約します。 生活サポート終身年金特約 は、要介護3相当以上や身体障害等級2級以上となってしまった時などに、終身(一生涯)に渡り年金を受け取れるようになる特約です。今回は年金年額が240万円となっているため、毎年240万円を一生涯受け取れます。 既述のとおり個人的には要介護状態となってしまった時の保障は必要性が低いと考えていますので、この特約も私なら即時で解約します。 家計保障年金特約 は、亡くなってしまったり高度障害状態となってしまった時に年金を受け取れるようになる特約です。今回は 「年金年額60万円、年金支払対象期間60歳」 のため、毎年60万円を被保険者が60歳になったであろう年まで遺族が受け取り可能です。これはいわゆる収入保障保険ですね。 ということで私なら収入保障保険評価ランキング上位の保険を新たに契約し、新しい保険の保障が開始したらこの特約は解約します。 保険料充当原資積立特約 は、 次回の自動更新時に向けてのただの貯金です。今回は基本保険料1,000円でしたので、毎月1,000円ずつ積立貯金する感じです。そして自動更新を迎えた際に、積み立てたお金を更新時の保険料の足しにします。 更新時の保険料を顧客に積立貯金させる特約とは、随分と上から目線というか、個人的には印象が悪い特約です・・・。 解約のタイミングによっては、この特約に払い込んだ額よりも少ないお金しか戻ってこない可能性がありますが、金額的にはそもそも大きくはないので、私なら他の特約を解約するのと同時にこの特約も解約します。 長かったですが、このとおりベストスタイルはすべて解約する方向で整理するとよいと思います。 |
最後に
いかがだったでしょうか? ここまで見てきた見直し方法はあくまで個人的な見解によるものですので、誰にとっても正解という方法ではもちろんないと思いますが、よかったら参考にしてもらえればと思います。 それでは最後にいくつかポイントを。 ◆ポイント1 解約は新しい保険の保障が開始してから 他社の新しい保険に加入しベストスタイルの特約を解約する場合は、必ず新しい保険の保障が開始されてから解約するようにして下さい。そうでないと保障がない期間(無保険期間)ができてしまいます。特に繰り返しになりますが、がん保険は契約してから3ヶ月くらい経過しないと保障が開始されないため注意して下さい。 ◆ポイント2 無理にたくさんの保険に加入しないように 保険の見直しについて相談を受けていると、何もかも気にしてしまって色々な保険に加入しすぎている方をよくみます。 ◆ポイント3 健康上の理由などにより他社へ乗り換えが難しい場合は 健康上の理由で他社の保険に加入し直すことが難しい場合は、必要な特約だけを残し、その他の特約はなるべく解約して保険料を安くすることをおすすめします。 |