引受基準緩和型・無選択型終身保険 評価ランキング
記事更新日:2019.4.9
評価ランキング
商品名 (会社名) |
総合 評価 |
加入時の 審査タイプ |
引受基準緩和型 | ||
〃 | ||
〃 | ||
〃 | ||
〃 | ||
無選択型 | ||
〃 |
解説
引受基準緩和型終身保険 は 加入時の審査=引受基準 が緩和されているため、既往症がある方 (過去に大きな病気をされていたり持病の薬を常用されている方など) でも加入しやすくなっている終身保険です。 加入しやすい分だけ、告知型 (審査が厳しいタイプ) よりも保険料が高くなっています。 無選択型終身保険 は、そもそも審査自体を行わないため、既往症がある方を含め誰でも加入できる終身保険です。 誰でも加入できる分だけ、引受基準緩和型よりも更に保険料が高くなっています。 なおこのページで取り上げているのは、保険料を平準払 (月払や年払) で払っていく終身保険かつ 「引受基準緩和型・無選択型」 のものです。 一時払い終身保険も加入時の審査は引受基準緩和型や無選択型であることが多いですが、あちらは加入時に一括で保険料の払込を終えるため、保険の原理がそもそも異なりますので・・・。 そして結論ですが、引受基準緩和型・無選択型終身保険はおすすめできません。 保険料が高い上に複雑な制約もあり、あまりにも加入者に不利な保険だと思うからです。 下記の参考プランを基に詳しく見ていきます。 なおこれはオリックス生命の引受基準緩和型終身保険のものなのですが、引受基準緩和型の終身保険の中では保険料は最安クラスで制約も最も軽めです。ですので他社の保険はこれ以上に加入者に不利になっていると考えてください。 ◆参考プラン これは70歳男性が加入して、保険料を一生涯、毎月15,744円ずつ払っていくプランです。保険料は途中で上がることはありません。 加入時の審査は緩和されており、既往症がある方であっても、現在入院中でないなどの一定の条件をクリアすれば加入できるようになっています。 保険期間は終身(一生涯)なので、加入後はいつ亡くなってしまったとしても遺族が保険金200万円を受け取れます。 ただし審査が緩和されている分だけ制約があり、加入から1年以内に病気でもしも亡くなってしまった場合は、保険金を半額しか受け取れないようになっています。このようにすることで、保険会社がリスクを抑えているわけです。 加入後の保険料累計額や損得の推移は下の表のとおりです。 |
亡くなって しまった年齢 |
それまでに払った 保険料総額① |
遺族が受け取る 死亡保険金② |
損得 ②-① |
71歳 | 約19万円 | 100万円 | +81万円 |
72歳 | 約38万円 | 200万円 | +162万円 |
73歳 | 約57万円 | 〃 | +143万円 |
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79歳 | 約170万円 | 200万円 | +30万円 |
80歳 | 約189万円 | 〃 | +11万円 |
81歳 | 約208万円 | 〃 | -8万円 |
82歳 | 約227万円 | 〃 | -27万円 |
85歳 | 約283万円 | 〃 | -83万円 |
90歳 | 約378万円 | 〃 | -178万円 |
95歳 | 約472万円 | 〃 | -272万円 |
※上の表は病気で亡くなってしまった場合です
このとおり、70歳で加入後、80歳までに亡くなってしまった場合は得になりますが、81歳以降は損になります。 70歳男性の平均余命は厚生労働省のサイトによると15年(85歳)ですので、平均余命まで生存した場合は約83万円損をしてしまうということです。 解約した時は解約返戻金を受け取れるので掛け捨てではないものの、今回の参考プランの場合、80歳解約時で解約返戻金は約63万円 (約126万円の赤字)、 90歳解約時で解約返戻金は約103万円 (約275万円の赤字) ですので、大損してしまうことには変わりありません。 このタイプの保険、私が営業マンだった時にも存在していましたが、お客様への説明がとてもしづらくて扱いづらい保険でした。 長生きするほど得な保険ならトークしやすいですが、この保険は真逆で、言葉は悪いですが 早死にすると得、長生きすると損。 な保険です。 もちろんそんなトークはしませんが、お客様によっては自分から、 「早死にしろってことか!人の命をバカにしてるのか!」 と怒る方もいました・・・。 話を戻しますが、たしかに加入後短期間のうちに亡くなってしまった場合は得になるのですから、絶対悪ではないと思います。実際、それを魅力と思って加入される方もたくさんいました。 けれどやはり個人的には、長生きした場合に大損してしまうデメリットのほうが遥かに大きいと思います。 ですので今このサイトを見てくれている方には、このタイプの終身保険には加入してほしくないと強く思います。 この保険にこれだけ保険料を払っていくくらいなら、私ならNISA・・・ と言いたいところですが、NISAが難しい場合であれば個人年金保険への加入がおすすめです。 個人年金保険なら、加入審査はこの保険と同じく緩和されており加入しやすいです。そしてこの保険のように大幅に赤字になることはありませんので。 |