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年利率1.5%超の超高運用な個人年金保険

記事更新日:2016.4.26

個人年金保険料控除の節税効果を活かすことで高金利を実現

個人年金保険は評価ランキングのとおり、運用利率(年利)は高いものでも1%くらいだ。決して高いとはいえないけど、

「保険料を払えなくならない限りは元本割れすることはない(※)」

というリスクの小ささを考慮すると、堅実な資産運用をしたい方にとっては検討価値のある商品だと思う。

変額個人年金保険は保険料を払いこんでいても元本割れの可能性があります。
銀行の定期預金や個人向け国債の年利(金利)はたったの0.1%くらいだもんね。それと比べれば1%でもだいぶ高いほうだよね。
そうだね。けれど個人年金保険は上手く契約すると更に年利を上げることができる。契約年齢次第では1.5%以上まで上げられることも多い。
1.5%!?めちゃめちゃ高いじゃん!
どういう方法なの?
とても簡単なんだ。契約時に下記の2つを行うだけ。

・保険料の支払方法に年払を選択する
・年払保険料8万円以内のプランにする

こんだけ?こんなんで本当に年利が大幅UPするの?
ああ。
まず保険料の支払方法に年払を選択すると、月払の時よりも保険料が1~4%程度割引になる。
そして年払保険料8万円以内のプランにすることで、保険料控除の枠をフルに活用できる。
これによって大幅な年利UPが可能になるんだ。

例えば32歳の男性が60歳まで年払保険料8万円を払いこむプランを、JA共済の予定利率変動型年金共済ライフロードで組んでみる。年金受取開始は60歳、年金種類は10年定期年金にしてみる。
えーと、32歳の人が60歳まで毎年8万円払うということは、


保険料総額
=年払保険料8万円×28年=224万円


だね。
そうだね。
けれどこのプランの場合、個人年金保険料控除の適用を受けられるので、毎年の所得税と住民税が安くなる。例えば年収500万円くらいまでの人
(課税所得195万円以下の人)
であれば、所得税が2000円、住民税が2800円、合計で毎年4800円も納めなければいけない税金が少なくなる。
更に保険料を支払いにポイント還元率1.2%のリクルートカードを使用すれば、年払保険料8万円に対して960円分のポイント還元を受けられる。
これらを考慮すると、年払保険料が実質的には74,240円になる。


実質的な年払保険料
=年払保険料8万円-節税分4800円-クレジットポイント還元960円
74,240円

なるほど、この節税分は大きいね。
ということは実質的な保険料総額は


74,240円×28年=約208万円


だね。で、60歳からはいくら年金を受け取れるの?
この保険は予定利率変動型なのでいくら受け取れるかは確定はしていないけど、仮に平成26年度の予定利率(1.65%)が将来も継続した場合、60歳から10年間かけて受け取る年金総額は約285万円になる。


利益
=年金総額285万円-実質的な保険料総額208万円
77万円

返戻率
=年金総額285万円÷実質的な保険料総額208万円
134.3%

なるほど、返戻率134.3%ってすごいね。
そうだね。
そして計算はとても難しい(※)けど、このプランの場合の年利(運用利率)は約1.63%になるんだ。年払保険料8万円プランを選択し個人年金保険料控除による節税効果を活かすことで、この高金利を実現できるんだ。

※このページの下のほうで年利の計算方法を記載しています。
もし保険料控除がなかったらどうなるの?
この例の場合だと、年利が1.3%くらいまで低下してしまう。
そうなんだ。保険料控除の力は大きいね。
そうだね。


住宅ローンの繰り上げ返済以上の運用が可能なことも

ショウ君、ローン繰り上げ返済 vs 貯蓄型保険の話は覚えている?
うん。
住宅ローンを組んでいる方の場合は、貯蓄型保険で貯蓄をするよりも、その分の資金を繰り上げ返済に充てたほうが、多くの場合は得になるっていう話だったよね?
そうだね。
ローン繰り上げ返済の力は本当に大きい。例えば固定金利2%の住宅ローンを組んでいる人が繰り上げ返済を行った場合、その効果は年利2%の定期預金に加入した時以上になる。そうなると、今回の超高金利な個人年金保険の年利1.56%でも全く及ばない。
なるほど。けど今、変動金利の住宅ローンだったら1%を切っているよね?
それだったら今回の個人年金保険のほうが上じゃない?
そうなんだ。
あくまで個人的にだけど、変動金利で1%を切るような住宅ローンに加入している方であれば、この個人年金保険を前向きに検討する価値があると思う。
変動金利の住宅ローンは、もしも今後の日本が再び経済成長期を迎えてインフレになると、金利が上昇してしまう可能性はあるけれど、このJA共済の個人年金保険は予定利率変動型のため、理論上は住宅ローンの金利が上昇した時には保険のほうの予定利率も上がっているはずなので大丈夫だと思う。
なるほどね。けど本当にそんなにうまくいくかなあ?
理論上はそうだけど、やっぱり怖い部分はもちろんあると思う。
なので、変動金利が多少上昇したとしても個人年金保険の年利(1.56%)になかなか追いつけないくらい、現時点で金利の低い変動金利の住宅ローンを利用中の方のみ検討されるとよいと思う。
なるほど。


◆補足◆
今回の例では年利1.56%になりましたが、契約年齢などの条件によって年利は変動します。特に払込期間が短期になると年利は落ちる傾向があります。
また、年払保険料8万円を支払い続けることが難しくなり、最悪解約することになった場合は元本割れの可能性もあります。
加入される場合はそれらのリスクを十分考慮の上で、自己責任で行って頂くようお願いします。

なお、保険料控除による節税効果は、年間の保険料が8万円以内であれば受けることができますので、年払保険料8万円プランでなく6万円プランや4万円プランでも今回のような高金利な個人年金保険とすることが可能です。
8万円プランが予算的に不安な方は、それらを検討されるのもよいかと思います。




年利率の計算方法

では今回の個人年金保険の年利の計算方法を見ていくよ。
難しいしだいぶ長いので、興味のある方はよかったら読んでもらえればと思う。
ういす。
まず最終的に求める年利をaとする。
今回の個人年金保険は年払8万円だったので、まず加入と同時に8万円を支払う。
よって1年目はこの8万円をaで運用していくことになる。 すると

1年目の終わりの額=80,000円×(1+a

になる。
ふむふむ。じゃあ仮に年利1%だったとしたら、

1年目の終わりの額=80,000円×(1+0.01)=80,800円

1年目の終わりには80,800円になっているってことだね。
そうだね。
そして2年目のはじめには、また新たに年払保険料8万円を払う。
そうすると、


2年目のはじめの額
=1年目の終わりの額+新たに払った保険料
=80,000×(1+a)+80,000


2年目はこの額を年利aで運用するので、2年目の終わりの額は

[80,000×(1+a)+80,000]×(1+a

となる。
えーと、仮に年利1%の場合は1年目の終わりに80,800円になっていたんだから、それに8万円を足すと


2年目のはじめの額
=1年目の終わりの額+新たに払った保険料
=80,800+80,000
160,800円


2年目のはじめには160,800円になる。
じゃあ2年目はこの160,800円を運用していくってことだね。
仮に年利1%の場合は


160,800円×1.01=162,408円


2年目の終わりには162,408円になっているってことだね。
そうだね。これを28年間繰り返すわけだ。
はあ、気が遠くなるなあ・・・。
だよね。そんな時にまあ便利なのがExcelだ。
今回のように長年積み立てた後の終わりの額を求める係数のことを年金終価係数というんだけど、これをExcelを使えば簡単に求められる。


年金終価係数=1/PMT(年利率,期間,現在価値,将来価値,支払期日)


それぞれの値は今回は


年利率:a
期間:28年
現在価値:空白(何も入力しないでOK)
将来価値:-1を入力
支払期日:今回は期首積立なので1を入力。(期末積立時は0を入力)


よって今回は


年金終価係数=1/PMT(a,28,,-1,1)


となる。
なるほど。じゃあ仮に年利1%の場合は


年金終価係数=1/PMT(0.01,28,,-1,1)=32.45


だね。

※Excelのセルに【=1/PMT(0.01,28,,-1,1)】の部分を入力すれば出てきます。
そうだね。
次に、60歳までの28年間で積み立てた額をbとする。すると、

b=年払保険料×年金終価係数

で求められる。
じゃあ仮に年利1%の場合は

b=年払保険料×年金終価係数=8万円×32.45=2,596,000円

だね。
おお~、28年間、毎年8万円払いつつ年利1%で運用すると、260万円くらいにもなるのかあ。
そうだね。
ただ今回は、個人年金保険料控除によって毎年4,800円が節税になっている。
また保険料の支払いにポイント還元率1.2%のリクルートカードを使用している。
それを考慮すると、年払保険料は実質74,240円になる。
よって、

b=年払保険料×年金終価係数=74,240円×年金終価係数

で求める。
なるほど。
さてそして、28年目までは毎年保険料を払う立場だったけど、29年目からは保険料の支払はなくなり、逆に年金を受け取る立場となる。
今回は10年間で受け取る年金総額が285万円なので、毎年28.5万円(※)を受け取ることになる。

※実際には年金額は毎年一定ではありませんが、ここでは一定だとして計算します。

保険会社目線で言うと、28年間で積み立てた年金原資(b)を、年利aで運用しつつ、毎年28.5万円を10年間、受取人に払っていくわけだ。
なるほど。ということは、29年目のはじめに28.5万円を受取人に払ってしまうと、

29年目の運用原資b-28.5万円


これを年利aで運用するわけだから、


29年目の終わりの額=(b-285,000)×(1+a


だね。
そうだね。
30年目のはじめには、その年の年金としてまた28.5万円を受取人に払ってしまうので、


30年目の運用原資
=29年目の終わりの額-28.5万円
=(b-285,000)×(1+a)-285,000


これを年利aで運用するわけだから、


30年目の終わりの額
=[(b-285,000)×(1+a)-285,000]×(1+a


これを10年繰り返すわけだ。
はあ、気が遠くなるなあ・・・。
って、こういう時にまあ便利なのが・・・
Excelだ。
Oh!Yes!で、どんな係数なの?手短に!
今度は年金原価係数というのを使う。


年金原価係数=1/PV(年利率,期間,定期支払額,将来価値,支払期日)


それぞれの値は今回は


年利率:a
期間:10年定期年金なので10年
定期支払額:-1を入力
将来価値:空白(何も入力しなくてOK)
支払期日:今回は期首受取なので1を入力。(期末受取時は0を入力)


よって今回は

年金原価係数=1/PV(a,10,-1,,1)

となる。
なるほど。じゃあ仮に年利1%の場合は

年金原価係数=1/PV(0.01,10,-1,,1)=9.57

だね。

※Excelのセルに【=PV(0.01,10,-1,,1)】の部分を入力すれば出てきます。
そうだね。そして

年金受取開始時の原資=年金原価係数×年金年額

という関係が成り立つ。今回は


年金受取開始時の原資:b
年金年額・・285,000


なので、

b=年金原価係数×285,000

となる。
なるほど。じゃあ仮に年利1%の場合は、年金原価係数が9.57だったから、

b=9.57×285,000=2,727,450

年金受取開始時の原資が273万円くらいないとダメってことだね。
そうだね。これらを連立で解くと・・・。

a(年利):約1.63%
b(年金受取開始時の原資):約266万円

となる。
なるほど。これは難しいね。
そうだね。ここまで余談に付き合ってくれた方、ありがとうございました。
お疲れさまでした~。

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