記事作成日:2015.4.17
さて前回の続きを。 | |
国民年金の保険料納付率は60%程度。しかもこれは経済的に保険料を払うことが難しくて免除になっている人を除外して計算したものなので、 経済的には払うことが可能なのに払っていない方がかなり多い っていう話だったよね? |
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そうだね。国民年金の保険料を払わない方が多い理由はなんなのか?その理由には下記のようなものがある。 ・年金制度そのものの信頼性低下のため |
まずは「年金制度そのものの信頼性低下のため」。 これはもうね、いわゆる「激しく同意」ってやつだよ。 |
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信頼性低下?なんで?なんか事件でもあったの? | |
ああ。ショウ君はまだ幼稚園くらいだった頃の話なので知らないと思うけど、2007年に年金記録問題というろくでもない事件があったんだ。簡単に言ってしまうと、年金制度の運営を行っていた旧社会保険庁のずさんな管理により、 「誰がいつどれくらい保険料を納めていたか、わからなくなってしまいました」 っていうのが発覚した事件だ。 |
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はあ!?なんだそりゃ?ふざけてるね! | |
そうだね。こんなんじゃ 「信頼できないから保険料を払いたくない」 という方が出てきてしまうのも無理がないと思う。 |
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ふう、同じ日本人として情けないねほんと・・・。で、今は信頼できるようになったの? | |
どうかな・・・。とりあえずその後、政府は国民の信頼を取り戻すべく旧社会保険庁を解体して日本年金機構を新設し、年金制度は日本年金機構が運営することになった。これで 「100%信頼できるようになったか?」 と問われるとなんとも言えないけど、毎年ねんきん定期便を加入者に送付することで将来の年金受取見込み額を明示するようになったりと、それなりに改善策は行っているので、以前よりは信頼性が増したのは間違いないと思う。 まあ私も保険料を払っている国民の1人なので、あとはもうとにかく信頼するしかないし、しっかりやってほしいなと思っているよ。 |
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なるほど。 |
続いて「年金制度は将来的には破綻するという話があるため」。 | |
破綻?どういうこと? | |
国民年金は賦課方式(ふかほうしき)といって、現役時代の人が払った保険料を、年金受給者に給付する年金に充てるという方式になっている。 | |
ん?普通の個人年金保険は、 「自分が払った保険料は積み立てられて、自分が将来受け取る」 となっているわけだよね?それとは違うわけか・・・。 |
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そうだね。その方式のことを積立方式というんだけど、国民年金はその方式ではないんだ。 そしてこの賦課方式には弱点がある。例えば、 「保険料を払う人が10人、年金を受け取る人が1人、年金月額が10万円」 だったら、保険料を払う人は1人月額いくら保険料を払えばいいかな? |
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えーと、1万円だね。 | |
そうだね。では 「保険料を払う人が1人、年金を受け取る人も1人、年金月額が10万円」 だったら、保険料を払う人は1人月額いくら保険料を払えばいいかな? |
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えーと、今度は1人10万円も毎月保険料を払わなくちゃいけなくなるね・・・。 | |
そうだね。1人10万円も毎月保険料を払える? | |
いやそれは無理でしょ・・・。保険料を払えない人が続出しちゃうよね。 | |
そうだね。 そうなったら年金制度は成り立たなくなってしまう。 今まさにこの危険に直面しているんだ。 日本は少子高齢化が急速に進んでいる。つまり保険料を払う若い人が少なくなり、年金を受け取る高齢者が増加していっている。 1970年頃・・・・保険料を払う人が10人、年金を受け取る人が1人 |
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はあ・・・。これじゃまさに、1人が10万円ずつ保険料を負担しなくちゃいけなくなるかもじゃん。そしたら保険料を払えない人が続出して年金制度が破綻してしまうのも目に見えているね。 | |
そうだね。 次のページで後述するけど、実際には年金給付の財源は保険料収入だけではないので、1人10万円ずつ保険料を負担ということにはならないと思う。けれど保険料が仮に現在の倍の月額3万円になったとしても、保険料を払えない人が続出してしまうと思う。なので 「年金制度は破綻するだろうから保険料は払わない」 という方がいるのも無理はないと思う。 |
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なるほど。しかし本当に破綻してしまうのかなあ? | |
これは様々な意見があるけど、私は破綻しないと思っている。 | |
なんで? | |
色々な理由があるけど、1番の理由は 年金制度の崩壊=国家の崩壊 だからだ。逆に言えば、国家が崩壊しない限りは年金制度も崩壊しない。 では日本が崩壊するか? これは安心していい。日本はなんだかんだいって世界トップクラスに豊かな国なんだ。なのでさすがに崩壊はないと思う。 |
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なるほど、そう言われると安心するなあ。 | |
そうだね。けれどこのままでは年金制度を維持することが難しくなるのも確かだと思う。なので ・受け取れる年金額を減らされる |
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なるほどね。でも現在ほど圧倒的ではないにしても、破綻しないんだったら保険料を払っておいたほうがいい気がするなあ・・・。 | |
そうだね。 |
続いて「国民年金の年金種類(受取方法)は保障期間なしの終身年金しかないため」。 | |
これは個人年金保険の年金種類(色々な受取方法)についてでも言ってたよね? 保障期間10年の終身年金なら、年金受取開始からすぐに亡くなってしまったとしても最低10年分の年金を受け取ることができるけど、保障期間なしの終身年金の場合は最低保障がないので、年金受取開始からすぐに亡くなってしまうと大損してしまうんだったよね? |
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そうだね。60歳までにマジメに何百万円という保険料を払ってきたとしても、それがほぼ丸々ムダになってしまうこともあるわけだ。そうなってしまうことを懸念して保険料を払いたくないという方も実際とても多いと言われている。なので 国民年金にも保障期間付き終身年金を導入すべきだと思う。 |
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なるほど。 | |
最後の「生活保護費を受け取ればいいという考えから」については、次のページの国民年金 vs 生活保護で詳しく見ていくよ。 |
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