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2014年4月 遺族基礎年金の改正2
妻の保険料を節約可能に

記事作成日:2014.5.29

この改正により妻の死亡保障の必要性は低下

例えば専業主婦の妻がもしも亡くなってしまったら、夫が家事もこなさなければいけなくなる。仕事と家事の両立は当然難しい。残業ができなくなったりなど経済的な損失も出てくる。
そこで妻がもしも亡くなってしまった時でも夫が保険金を受け取れるようにするため、妻も収入保障保険などで死亡保障を確保することをこれまでは推奨していた。
そうだったね!
けれど今回の改正で、妻がもしも亡くなってしまった時でも遺族基礎年金が出るようになったので、妻の死亡保障の必要性は大きく低下したと思う。
まあ国がお金を出してくれるなら、自分で別途備えておかなくても大丈夫か・・・。けど具体的にどれくらい遺族基礎年金は受け取ることができるのかな?
遺族基礎年金は18歳以下
(障害等級1級または2級の子は20歳未満)
の子供の人数と年度によって額が変わってくるけど、近年はおおよそ下記の金額となっている。


子供が1人:月額約84,000円
子供が2人:月額約103,000円
子供が3人:月額約110,000円


よって、自営業者の夫と専業主婦の妻、それに長男(14歳)と次男(12歳)の4人家族の妻がもしも亡くなってしまった場合、以後に受け取れる遺族基礎年金は以下のとおり。


妻が亡くなってしまって
からの経過年数
年齢 遺族基礎年金
(月額)
長男 次男
1年目 44 14 12 101,000円
2年目 45 15 13
3年目 46 16 14
4年目 47 17 15
5年目 48 18 16
6年目 49 19 17 83,000円
7年目 50 20 18
8年目 51 21 19 0円








0円


おお~。えーと、5年目までは毎月101,000円ももらえて、6年目と7年目は毎月83,000円もらえるということは、総額で800万円くらいはもらえるということだね。
そうだね。受取総額は子供の年齢や人数によって変わってくるけど、かなり大きな力になってくれるのがわかると思う。
そうだね。なんかまるで年金月額10万円くらいのプランの収入保障保険に、妻が加入していたような感じになるもんね。
そう、まさにそうなんだ。
子供が18歳までしか受け取れないのがややネックではあるけど、その年齢であれば妻が担当していた分の家事を子供達が自分達でできるようになっているだろうから、夫が家事のせいで勤務時間が減って収入が落ちてしまうといったこともないと思う。
なので今回の改正によって妻の死亡保障は必要性が大きく下がったと思う。というよりも、個人的にはもはや必要ないくらいになったと思う。
確かに。妻が収入保障保険などに加入しなくても大丈夫となると、その分、保険料を節約できるね。
そうだね。あとは

・遺族厚生年金について
・例外で受給できないケースについて

の2つについて、少しだけ取り上げておきたい。


遺族厚生年金について

遺族厚生年金については、また機会があれば専用記事を作成したいと思うのでここでは少しだけ。
遺族年金には遺族基礎年金遺族厚生年金がある。今回の改正でどう変わったかは下記のとおり。


ケース 改正前 改正後
遺族
基礎年金
遺族
厚生年金
遺族
基礎年金
遺族
厚生年金

(専業主夫や自営業、年収130万円以下のパート)
が亡くなってしまった時、
母子家庭が受給可能か?

可能

不可

可能

不可
夫(会社員)が亡くなってしまった時、
母子家庭が受給可能か?

可能

可能

可能

可能

(専業主婦や自営業、年収130万円以下のパート)
が亡くなってしまった時、
父子家庭が受給可能か?

不可

不可

可能
★今回改正

不可
妻(会社員)が亡くなってしまった時、
父子家庭が受給可能か?

不可

可能

可能
★今回改正

可能
★今回改正


えーと、夫(会社員)が亡くなってしまった場合と、妻(会社員)が亡くなってしまった場合だと、遺族厚生年金の矢印が全然違うね。
そうだね。今回の改正で遺族基礎年金については男女格差が解消されたけど、残念ながら遺族厚生年金についてはほとんど解消されていない。わずかにマシになった程度なんだ。具体的には下記のとおり。


ケース 遺族厚生年金を受け取れるか?
夫(会社員)が亡くなってしまった時、
妻が29歳以下で子がいない場合
妻が5年間だけ受け取れる。
妻(会社員)が亡くなってしまった時、
夫が29歳以下で子がいない場合
受け取れない。
夫(会社員)が亡くなってしまった時、
妻が29歳以下で子がいる場合
妻が一生涯受け取れる。
妻(会社員)が亡くなってしまった時、
夫が29歳以下で子がいる場合
子が受け取れる。ただし受け取れるのは
子が18歳年度末まで。夫は受け取れない。
夫(会社員)が亡くなってしまった時、
妻が30~54歳で18歳以下の子がいない場合
妻が一生涯受け取れる。
妻(会社員)が亡くなってしまった時、
夫が30~54歳で18歳以下の子がいない場合
受け取れない。
夫(会社員)が亡くなってしまった時、
妻が30~54歳で18歳以下の子がいる場合
妻が一生涯受け取れる。
妻(会社員)が亡くなってしまった時、
夫が30~54歳で18歳以下の子がいる場合
子が受け取れる。ただし受け取れるのは
子が18歳年度末まで。夫は受け取れない。
夫(会社員)が亡くなってしまった時、
妻が55~59歳で18歳以下の子がいない場合
妻が一生涯受け取れる。
妻(会社員)が亡くなってしまった時、
夫が55~59歳で18歳以下の子がいない場合
夫はすぐには受け取れない。60歳から受給
開始となりその後は一生涯受け取れる。
夫(会社員)が亡くなってしまった時、
妻が55~59歳で18歳以下の子がいる場合
妻が一生涯受け取れる。
妻(会社員)が亡くなってしまった時、
夫が55~59歳で18歳以下の子がいる場合
◆改正前

子が受け取れる。ただし受け取れるのは子が18歳
年度末まで。その後、夫が60歳になると夫に支給
開始となり、その後は一生涯受け取れる。


◆改正後

夫が一生涯受け取れる。
ただし夫が55~59歳の間に子が18歳年度末を
越えてしまうと、遺族厚生年金の支給は一旦停
止される。その後、夫が60歳になると支給再開
となり、その後は一生涯受け取れる。



なるほど、こうやって比較してみるとかなり男女差があるね。
そうだね。妻はほとんどのケースでは一生涯受け取れるのに対し、夫の場合は受け取れないケースのほうが多い。
早くこの点も改正してほしいね。


今回の改正前に父子家庭となっていた場合は遺族基礎年金を受給不可

これが個人的には今回の改正で1番ダメな点だと思う。改正前から父子家庭となっていた家庭も給付対象にすべきだったと思う。
確かに、これは不公平だよね。


夫が年収850万円以上あると、遺族基礎年金は受給不可

夫が年収850万円以上ある場合は、妻が亡くなってしまったとしても遺族基礎年金が受給できないことになっている。国も予算はいっぱいいっぱいなので、高収入者は対象外にしたんだと思う。
なるほど。これはまあしょうがないかな。でもずっと850万円以上をキープできるとは限らないよね?
そうだね。年金機構のページにも、

「おおむね5年以内に年収が850万円未満となると認められる方は受給することができます。」

と記載がある。なので年収が850万円以上あったとしても


・5年以内に退職し、年収が下がる予定の人
・ある年だけ偶発的に年収が850万円を超えていた人


などは受給可能になるようなんだ。
なるほど。


別居していると受給不可となる可能性あり

遺族年金には、
亡くなってしまった人と生計を同一にしていた人でないと受け取れない
という条件があるんだ。
よって夫婦が別居していた場合には受給できないケースがある。
生計を同一にしていたってことは、じゃあ夫が単身赴任していた場合なら受給可能なのかな?
そうだね。不仲で別居していて生計も別々だったとすると、受給が認められないケースもあるってことみたいなんだ。
なるほど。
遺族基礎年金の改正についてはここまで。ここまで読んでくれてありがとう。
お疲れさまでした~。

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