妻の老後の月収をUPさせるには?(片働き家庭・会社員公務員)
記事更新日:2018.10.1
70歳まで繰り下げ受給すると妻の月収がグンとUP
まずは妻が単身者となって以降の月収を上乗せするにはどうすればいいか? これは色々な方法があると思うけど、個人的には妻の老齢年金を繰り下げ受給することを推奨したい。 |
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繰り下げ受給?なにそれ? | |
原則、老齢年金(老齢基礎年金や老齢厚生年金)は65歳から受給開始になるんだけど、希望すれば60~70歳の間で受給開始時期を調整可能なんだ。 繰り上げ受給 65歳よりも早く受給開始すること。早めれば早めるほど年金月額は低くなる。60歳から受け取る場合の年金月額は、65歳から受け取る時の70%になる。 繰り下げ受給 65歳よりも遅らせて受給開始すること。遅らせれば遅らせるほど年金月額は高くなる。70歳から受け取る場合の年金月額は、65歳から受け取る時の142%になる。 ◆参考リンク |
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なるほど。で、妻の老齢年金を繰り下げ受給するとどうなるの? | |
こんな感じになる↓ |
◆妻の老齢年金を70歳から繰り下げ受給した場合
年齢 | 夫の月収 | 妻の月収 | 夫婦合計月収 | |||||
老齢 基礎年金 |
老齢 厚生年金 |
合計 | 老齢 基礎年金 |
老齢 厚生年金 |
遺族 厚生年金 |
合計 | ||
65~69 | 65,000 | 100,000 | 165,000 | 0 | 0 | - | 0 | 165,000円 |
70~84 | 65,000 | 100,000 | 165,000 | 92,300 | 9,900 | - | 102,200 | 267,200円 |
85~89 | - | - | - | 92,300 | 9,900 | 65,100 | 167,300 | 167,300円 |
むむむ。どう変化したのかな? | |
こんな感じだね↓ |
年齢 | 変更点 |
65~69 | 夫婦合計月収が237,000円から165,000円に減額。 夫婦時代の月収は将来的には26~33万円くらいが目標だったので、10万円くらい足りない。 |
70~84 | 夫婦合計月収が237,000円から267,200円に増額 夫婦時代の月収は将来的には26~33万円くらいが目標だったので、目標クリア! |
85~89 | 夫が亡くなり単身となった妻の月収が140,000円から167,300円に増額 単身者の月収は将来的には16~21万円くらいが目標だったので、目標クリア! |
なるほど。弱点だった85~89歳の妻の月収が増えている。単身者の月収は将来的には 「16~21万円くらいを目標に」 という話だったから、これならそれがクリアになるね。 |
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そうだね。女性は一般的に男性よりも平均寿命が長いので、1人暮らし生活がどうしても長期間になりやすい。そうなった時の収入をこのように増額しておけば、女性としては心強いと思う。 | |
なるほど。けどそのかわり、65~69歳の夫婦合計収入が大きく下がっちゃって赤字になっちゃってるよね。これじゃ繰り下げ受給をしてもあまり意味がないんじゃ・・・? | |
いや、妻の年金を繰り下げ受給した時のほうが有利なんだ。その理由は2つ。 ・夫婦が受け取る年金総額が大きくなる まずは下の表のとおり、夫婦が受け取る年金総額は繰り下げ受給をした時のほうが大幅に大きくなるんだ。 |
夫婦が受け取る年金総額 (夫84歳、妻89歳まで生存した場合) |
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65歳から受給時 | 妻の年金のみ70歳から繰下受給時 |
約6,500万円 |
約6,770万円 270万円くらい多い! |
なるほど。受給開始を5年遅らせるだけで270万円も受取総額が増えるのか。というか6,700万円も受け取れるなんてすごい額だね! | |
そうだね。そして詳しく説明すると長くなるけど、老齢年金 (老齢基礎年金や老齢厚生年金) は個人年金保険や終身保険よりもインフレに強いので、より高年齢となった時期を担うようにするほうが有利なんだ。 |
比較的若い時期(60代) |
インフレが進んだとしても、より高年齢となった時期と比較すればそれほど物価は上昇していない。 ↓ 老齢年金と比較するとインフレに弱い個人年金保険などは、 この時期をカバーするように契約しておくのが有利! |
より高年齢となった時期(70~90代) |
インフレが進み、大きく物価が上昇している可能性あり。 ↓ 老齢年金と比較するとインフレに弱い個人年金保険などでは、この時期には対応できない可能性あり。 ↓ よりインフレに強い老齢年金でカバーできるようにしておくほうが有利! |
※老齢年金もマクロ経済スライドを導入しているため、完璧にインフレに対応できるわけではありません。逆に個人年金保険や終身保険は、インフレに全く対応できないわけではありません。インフレと保険で記載のとおり、配当付きや積立利率変動型のものであれば比較的対応できます。ですが個人的には、老齢年金のほうがそれでもまだインフレ耐性は上かと思います。
なるほど。じゃあ妻の老齢年金は70歳から繰り下げ受給するとして、65~69歳の5年間の毎月の不足額10万円をどう準備するかがポイントだね。 | |
そうだね。それを次回見ていくよ。 |