住友生命 1UP 評価

記事作成日:2015.10.12

評価データ

保険種別 評価 リンク
定期付き終身保険 公式サイト
発売告知(PDF)


評価コメント

Wステージ 未来デザイン 1UP(ダブルステージ ワンアップ)は、2015年9月に発売開始された新商品で、住友生命の新しい主力商品となった保険です。
とはいえ、旧商品のWステージと大部分は変わっていません。終身保険(終身死亡保険)を軸に、定期保険や医療保障など、とにかくいろいろな保険をセット売りにして割高な保険料をごまかしている、悪名高い定期付き終身保険(定期保険特約付き終身保険)という点も変わっていません。そのため加入は推奨できません。

加入NG保険 > 定期付き終身保険、アカウント型保険は加入すべきではない


旧商品との変更点は?

定期付き終身保険なので加入は推奨できません」
のひとことで結論付けは済んでしまっているのですが、もう少し詳しくリポートをしてみたいと思います。というのもこの新商品、画期的な要素も多々ある実に惜しい保険だと思うからです。この保険を作成した人と個人的に色々話してみたいくらいです。(えらそうですいません・・・)

まずは旧商品との違いから。
すでに記載したとおり、この新商品は旧商品と大部分は変わっていません。定期付き終身保険は主契約の終身保険を軸に、特約で定期保険や医療保険、介護保険など多数の保険がセット売りになっている保険です。変更になったのは、このセット売りになっている特約のうちの1つの介護保障関連の特約です。


旧商品のWステージ 新商品のWステージ 1UP
保険種別 定期付き終身保険
主契約 終身保険
介護保障関連の特約の名称 新介護収入保障特約 生活障害収入保障特約
介護保障関連の特約の給付条件 要介護相当で給付 ・ 要介護相当
障害年金2級
などで給付
介護保障以外の特約 発売告知(PDF)を確認する限り変更点なしのようです。


上の表のとおり、介護保障関連の特約が新介護収入保障特約から生活障害収入保障特約に変更になり、給付条件が 要介護相当から要介護相当に引き下げられました。要介護レベルは1~5まであり、数字が大きいほど重度です。つまり、

「給付条件が要介護2相当に変更になった」

というのは、

「旧商品(要介護3)と比較すれば軽度な要介護レベルでも給付金を受け取れるようになった」

ということです。
そうなると給付金を受け取れる人が大幅に増えます。発売告知(PDF)によると、給付対象者は旧商品時の約3倍になるそうです。


生活障害収入保障特約の詳細

1UPで新登場した生活障害収入保障特約について詳しくみていきます。
例えば、

「生活障害収入保障特約Aプラン 年金年額180万円」

に加入していた30歳男性の方が、交通事故でマヒが残ってしまい、手すり等の支えがなければ歩くことができない状態となってしまったらどうなるか?

発売告知(PDF)によると、要介護2相当は

「食事、入浴、衣服の着脱に一部介助が必要で、手すり等が支えなければ歩くことができない状態」

となっていますので、この男性は生活障害収入保障特約の給付条件に該当となると思います。該当と認められた場合は、年金年額180万円が64歳まで給付されます。年額で180万円ということは月額にすると15万円です。つまり
毎月15万円を64歳まで受け取り続けることができる
ということです。
30歳から64歳まで毎月15万円を受け取ると、総額では約6,000万円にもなります。

これはとても心強い特約だと思います。
30歳というと、小さい子供がいて、これから子育てでお金がたくさん必要になるという方も多いと思います。けれど要介護2相当の
「手すり等が支えなければ歩くことができない状態」
になってしまったら、今までの収入をキープできるでしょうか?体力仕事の方は仕事を続けることすら難しいと思います。デスクワークの方ならなんとか続けることはできるかもしれませんが、残業などはできなくなってしまい収入が減少してしまうケースが多いと思います。
そのような場合に毎月15万円を64歳まで受け取れれば、収入の減少分をカバーでき、子育て中の大きな支えになってくれると思います。


1UPのメリット

この1UP生活障害収入保障特約のように、働けなくなってしまった時に給付金を受け取れるようになる保険を所得補償保険(就業不能保険)といいます。所得補償保険には保険期間が短期のものと長期のものがありますが、この保険は64歳まで年金を受け取れるため長期タイプに分類できます。しかしこの1UPには、これまでに発売されてきた長期の所得補償保険にはなかった画期的な要素がいくつかあります。

まずこれまで発売されてきた所得補償保険は給付条件が厳しいものが多く、かなり重度な障害を負ってしまった場合でないと給付されないものがほとんどでしたが、この1UPは要介護2相当という比較的軽度な障害でも給付されるようになっています。要介護2相当でも収入が減少してしまうケースがほとんどだと思いますので、そのようなケースにも対応できるようにしたというのは画期的だと思います。

また、給付条件に障害年金制度を取り入れたのも個人的には素晴らしいと思います。
「保険会社所定の状態に該当したと認められた時のみ給付」
となっている保険も多いですが、それだとやはり
「認められなかったらどうしよう」
という不安があります。その点、
「障害年金2級に該当すれば給付」
となっていればわかりやすく安心できます。


1UPのデメリット

これはこの保険だけでなく日本の大手生命保険会社の主力商品全体に言えることですが、保険料が高すぎるというのが1番のデメリットです。契約例を見れば一目瞭然です。公式サイトに、先ほどの
「生活障害収入保障特約Aプラン 年金年額180万円」
に加え、

定期保険特約
・収入保障特約(収入保障保険
・がん特約(がん保険
・医療特約(医療保険

などがセット売りになった生活責任世代向けAプランが掲載されています。これだけフルコースになっていれば、障害を負って働けなくなってしまった場合だけでなく、亡くなってしまったりガンやその他の三大疾病で入院した場合など、どんな状況になってしまった時も完璧に対応できる保険だと思います。

ですがこの生活責任世代向けAプラン、30歳男性で月払保険料が21,145円となっています。しかもそのほぼすべてが掛け捨てです。年間だと約25万円です。これを安いとみるか高いとみるかは人それぞれだと思いますが、年収400万円台くらいの平均的な収入の方にとってはとても高額だと思います。私も平均程度の年収に該当するサラリーマンですが、この保険料はとてもじゃないですが払っていける自信がありません。しかもこれは当初10年間の保険料で、40歳になると月払保険料が約27,000円に上昇します。年間だと約33万円です。1ヶ月分の給料がまるまる保険料で消えてしまう感じです。出産~子育て中の保険の選び方でも記載していますが、いくら完璧な保険だとはいえ、これだけ保険料負担が大きいと


「保険には完璧に加入していたけれど、そのせいで子供の学費が準備できなかった。」

「マイホームを買うことができなかった。」

「ローンの返済が厳しくなってしまった。」

「老後に向けての貯蓄ができなかった。」

といった事態になりかねません。それでは本末転倒です。


生活障害収入保障特約の代わりは?

「保険料が高額でも、自分が障害を負ったりして働けなくなってしまったら家族が生活できなくなってしまうから、加入しておいたほうがよいのでは?」

と思われる方もいるかと思います。
しかし保険選びの心得でも記載していますが、日本はなんだかんだいって社会保障が充実した国です。障害年金制度生活保護制度があるため、家族が生活できなくなってしまうことは最悪でもありません。

生活保護制度はあくまで最低限の生活レベルを保障する制度
(実際には平均的な年収程度の生活レベルは可能なケースが多く、それが生活保護制度が批判される理由になっていますが・・・)
ですので、それだけを100%アテにしてしまうのも個人的には心許ないと思います。ですので、保険料が安価であればこのような保険に加入し、働けなくなってしまった時の備えを自分でしておきたいものです。ですが、これだけ高額な保険料を払ってまで自分で備えておく必要はないと思います。


まとめ

ひとことで言って惜しい保険だと思います。メリットも多いですが保険料が高額すぎます。現状では、働けなくなってしまった時でも高い生活レベルをキープしたい高所得者だけが検討できる保険だと思います。
生活障害収入保障特約を、保険料を安くして単体の長期の所得補償保険(就業不能保険)として販売すれば、かなり売れるのではと思います。通販中心でコスパに優れた住友生命グループのメディケア生命あたりから発売できないものでしょうか、住友生命さん・・・。