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明治安田生命じぶんの積立 評価

記事作成日:2017.2.8

評価データ

返戻率(受取率) 運用利率(年利)
103% 0.39%
配当 総合評価
なし

※返戻率と運用利率は10年後に満期保険金を受け取った場合のものです。


リンク
公式サイト
発売告知(PDF)


どんな保険か?

明治安田生命じぶんの積立
(無配当災害保障付積立保険)
は、2016年10月に新発売された商品です。
なんでも発売から2ヵ月あまりで既に12万件も売れ、大ヒット商品になっているとのこと。
そこで少し遅くなってしまいましたが、どんな保険なのか詳しく調べてみました。

結論から言ってしまうと、
「うーむ、なるほど」
という商品です。
生命保険の中には、あからさまに相続税を節税することを目的に作られている相続専用保険というのが存在しますが、この保険もそれに少し似ています。
この保険は所得税&住民税専用保険です。人にもよりますが、条件に合う方なら節税ができるので検討価値が大いにある保険だと思います。
詳しくみていきます。


まずは毎月の積立額(月払保険料)を
「1口5,000円」
「2口10,000円」
「3口15,000円」
「4口20,000円」
の4つの中から選択します。理由は後述しますが、加入するなら「1口5,000円」コースを推奨します。
このコースの場合、加入してから5年間、毎月5,000円ずつ保険料を払っていくことになります。5年間は60ヵ月ですので保険料は総額で300,000円です。

5年間で30万円を払いきると、もうそれ以降は毎月の保険料の支払いはなくなります。そしてそれから更に5年後
(つまり契約してから10年後)
になると満期を迎え、満期保険金309,000円を受け取り契約終了です。
これを表にすると、下のとおり返戻率は103%、運用利率は0.39%になります。


最初の5年間、
毎月払う保険料
最初の5年間で払う
保険料総額
10年後に受け取れる
満期保険金
利益
②-①
返戻率
②/①
運用利率
(年利)
5,000円 300,000円 309,000円 9,000円 103% 0.39%


ざっと調べてみたところ、銀行の定期預金の年利は高いものでも0.15%
(あおぞら銀行のダイレクト定期預金など)
でしたので、それに比べればこの保険の年利(0.39%)はだいぶ高いです。

とはいえ今後の日本がインフレ1%で継続したとすると、0.39%の年利ではインフレに負けてしまいます。インフレが1%で継続した場合、10年後に受け取れる309,000円は、加入当時の価値でいうと28万円くらいの価値しかないからです。
この保険は配当がないためインフレにも対応できません。
(理由はこちら

よって、純粋に保険そのものの力だけを評価すれば、とても加入を推奨できるものではありません。

しかしこれに生命保険料控除の力を加えると話がガラリと変わってきます。
保険料を毎月5,000円ずつ払うということは、年間では60,000円を払うことになります。そしてこの場合、生命保険料控除を申請
(申請方法はこちら
することで、その年に納めなければいけない所得税が1,750円、住民税が2,800円、合計で4,550円(※)も少なくなります。


※年収500万円くらいまでの方の場合
※「2口10,000円コース」にすると所得税の節税額が250円だけ増え2,000円になります。住民税の節税額は変わりません。これしか変わらないのであれば「1口5,000円コース」を個人的には推奨します。


この節税分を考慮すると、以下の表のようになります。


保険料総額 節税額
(5年分)②
節税額を考慮した
実質保険料総額
(①-②)
満期保険金 利益
④-③
返戻率
④/③
運用利率
(年利)
300,000円 22,750円 277,250円 309,000円 31,750円 111.4% 1.45%


ごらんの通り、返戻率は103%から111.4%に、年利は0.39%から1.45%に跳ね上がりました。超低金利の現代において1.45%という数字は破格の数字ですし、これならインフレに負けることもないと思います。(※)


※安倍首相と日銀の黒田総裁はデフレ脱却をすべく、インフレ2%達成を目指して2013年から金融緩和を続けていますが、予想していたとおり未だに達成できずにいます。いい加減に金融緩和なんかではデフレ脱却は不可能だということに気づき、少子化対策にもっと力を入れてほしいものです。



どんな方におすすめか?

既述のとおり、この保険は生命保険料控除の力を利用できる方に推奨できる保険です。むしろそれ以外の方には個人的には推奨できません。

生命保険料控除の力を利用できるのは、一般の生命保険料控除対象の保険
学資保険収入保障保険定期保険終身保険など)
の保険料を、合計で年間8万円以上払っている方以外です。
例えば・・・


無保険のAさん
(生命保険には未加入)
医療保険がん保険
に加入中のBさん
収入保障保険の保険料を
毎月3,000円(年間3.6万円)
支払っているCさん
学資保険の保険料を
毎月1万円(年間12万円)
支払っているDさん
向いています 向いていません


こう見てみると、新社会人は向いている方が多いかなと思います。新社会人は多くの方が無保険だと思いますし、学生時代と比べて収入が増え貯金ができる方が多いと思いますので。


◆参考リンク

ライフステージ別の選び方 >新社会人編



メリット1 中途解約しても元本割れしないため気軽に節税可能

この保険のいいところは、10年続けなくても気軽に節税できることです。
銀行の定期預金は中途解約をしても元本割れはしませんが、生命保険は中途解約をすると元本割れをすることが多いです。特に加入してから短期間(2~3年)で解約すると大きく元本割れすることが多いです。

けれどこの保険はいつ解約しても元本割れしません
例えば新社会人で無保険のAさんがこの保険に加入し、3年後にまとまったお金が必要になったので解約した場合は、下の表のようになります。


3年間で払った
保険料総額
節税額
(3年分)②
節税額を考慮した
実質保険料総額
(①-②)
3年後に解約した時に
受け取れる
解約返戻金
利益
④-③
返戻率
④/③
運用利率
(年利)
180,000円 13,650円 166,350円 180,000円 13,650円 108.2% 5.06%


自分でも計算して驚いたのですが、年利がすごいことになっています。たしかにたった3年間、毎月5,000円ずつ18万円を積み立てるだけで、利益が13,650円も出るなんて割りが良すぎます。銀行の定期預金なんて100万円入れておいても、3年後に受け取れる利子は数百円程度というところがほとんどですから。


メリット2 災害死亡時の保障がある

おまけ程度のメリットですが、災害で亡くなってしまった場合は、それまでに払った保険料総額の1.1倍の災害死亡給付金を受け取れます。
例えば、3年間で保険料を合計18万円払い込んだタイミングで災害で亡くなってしまった場合は、
18万円×1.1倍=198,000円
を遺族が受取可能です。
この商品は定期預金ではなく一応【保険】ですので、保険としての機能が一応ついているということです。

なお、災害以外(病気など)で亡くなってしまった場合は、払った保険料と同額を遺族が受け取ることになります。払った保険料以上の額は保険会社は出さない
(つまり保険会社が損はしないようにできている)
ことから、加入時に健康状態の告知はありませんし、変な話どれだけ健康状態が悪い方でも加入できます。もしも加入後にすぐ亡くなってしまったとしても、保険会社が損はしないためです。


まとめと注意点

以上のとおり、条件の合う方であれば気軽に節税できる優良保険だと思います。

ただし1点だけ注意点があります。
この保険では生命保険会社はほとんど利益が出ないはずです。
なぜそんな保険を販売するのか?

明治安田生命の発売告知(PDF)を見るに、この保険は生命保険の加入率の低い若年層の方をターゲットにしているようです。要するにこの保険をきっかけにして若年層の顧客と接点を作り、他の保険も販売していこうという意図があるのだと思います。

しかし失礼ながら明治安田生命の他の保険は、主力商品のベストスタイルを筆頭に評価が低いものばかりで、個人的には推奨できるものはありません。この保険に加入することで、それらの保険の勧誘を受けることになってしまうと考えると、それは大きすぎるデメリットだと思います。
そのためと評価しました。



以上、参考になれば幸いです。

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