終身保険で老後資金を積立貯金する方法2

記事作成日:2014.11.13

終身保険は契約内容次第では個人年金保険の代わりになる

それでは具体的に、終身保険を利用するとどんなふうに老後資金を積立貯金できるのかを見ていくよ。
ういす。
Bさんの例で見ていこう。Bさんは32歳男性。実家を引き継いだので住宅ローンは組んでいない。老後に受け取れる年金額がやや不足する見込みであることから、少しずつ自分で老後に向けて貯蓄をしようと考えている。保険料は1ヶ月あたり7,000円くらい、年間で8万円くらいで考えている。
ふむふむ。
まず、終身保険の種類から。
終身保険にはいくつか種類があるけど、ここでは低解約返戻金型終身保険を使った場合をまずは見ていきたい。
ふむふむ。
Bさんはいくつかの保険会社を比較した結果、某社の低解約返戻金型終身保険で下記のように契約した。

契約者・被保険者・・・Bさん
死亡保険金・・・320万円
保険料払込期間・・・28年間(60歳まで)
年払保険料・・・76,579円

これはBさんがいつ亡くなってしまったとしても、320万円を遺族が受け取ることができるという契約内容だよね?こんなんで貯金できるの?
できるんだ。まあ見てて。
この契約内容の場合、保険料払込期間が28年なので、加入してから28年間、毎年保険料(年払保険料76,579円)を払うことになる。
えーと、じゃあ28年間で払う保険料総額は

76,579円×28年=2,144,212円

だね。
そうだね。そして60歳で保険料払込が満了したら、あとは好きな時に解約をして解約返戻金を受け取る。
例えば、保険料を払い終わった直後(60歳時)に解約をした場合、Bさんは解約返戻金として2,473,912円を受け取れる。
72歳まで塩漬けしてから解約をすると、2,751,040円を受け取れる。
ん?それだとけっこう利益が出そうだな・・・。
そうだね。整理すると下記のとおり。


60歳時に解約して
解約返戻金を受け取る場合
72歳時に解約して
解約返戻金を受け取る場合
保険料総額 (ア) 2,144,212円
解約返戻金 (イ) 2,473,912円 2,751,040円
利益 (イ-ア) 329,700円 606,828円
返戻率 (イ/ア) 115.3% 128.3%
年利 (1年複利) 0.97%
年金終価係数 (期首積立) 32.31


なるほど。けどこれがすごいのかどうかわからないな・・・。
そうだね。参考までに銀行の積立預金(記事作成時点)と比較すると下記のとおり。


終身保険
(上記のBさんの契約内容の時)
イオン銀行
積立式定期預金
ソニー銀行
積み立て定期預金
年利 0.97% 0.17~0.27%
(3年もの)
0.11%
(3年もの)


うわ、こうして見ると断トツだね!
そうだね。もっとも銀行の積立預金は長くても5年ものくらいだけど、終身保険は今回の例でも28年ものだったように運用期間(預金期間)が一般的に長期になるので、その分、年利が高くなるのも当然ともいえる。
なるほど。
じゃあBさんは60歳時に解約して約250万円の解約返戻金を受け取れれば、ちょっとした退職金を自分で作ったような感じだね。
そうだね。
けど、解約返戻金は一括でなく年金形式(分割受け取り)を選択することも可能なんだ。
そんなこともできるの?


解約返戻金を一括でなく年金形式(分割)で受け取ることも可能

解約返戻金を一括でなく年金形式(分割)で受け取ることができるようになる特約のことを
年金支払移行特約(ねんきんしはらいいこうとくやく)
というんだ。
評価ランキングのとおり、多くの保険はこの特約がある。そしてこの特約がある保険は、一般的に保険料払込満了後であれば好きなタイミングで、解約返戻金を原資とした年金受取(分割受け取り)に移行することができる。選択できる年金の種類は保険によって異なるけど、5年確定年金(5年分割受取)や10年確定年金(10年分割受取)などがある。

今回のBさんが契約した保険も、この特約があるとする。Bさんは保険料払込満了直後(60歳時)に保険会社に連絡し、この特約を利用して年金受取(10年確定年金)に移行した。すると下記のとおり、一括で解約返戻金を受け取る場合と比較して、約13万円も多く受け取ることになる。


60歳時に一括で解約返戻金を
受け取る場合の金額
60歳時から10年間、年金形式(=分割)で
受け取る場合
2,473,912円 毎年260,500円を10年間受け取る。
受取総額は2,605,000円になる。
一括受取時よりも13万円くらい多い!


おお~。年金形式のほうが受取総額が大きくなるんだね!
そうだね。保険会社目線で言うと、一括で解約返戻金を契約者に払ってしまうともうそれ以上は資金運用ができない。けど年金形式だと、契約者に毎年すこしずつ年金を払いながら運用していくことができるので、その分、受取総額が大きくなるんだ。
整理すると下記のとおり。


60歳時に一括で解約返戻金を
受け取る場合
60歳時から10年間、年金形式
(=分割)で受け取る場合
保険料総額 (ア) 2,144,212円
受取総額 (イ) 2,473,912円 2,605,000円
利益 (イ-ア) 329,700円 460,788円
返戻率 (イ/ア) 115.3% 121.5%


なるほどね。
60歳で10年確定年金に移行した場合、60歳から10年間、毎年26万円くらいを受け取れるってことは、1ヶ月あたりだと2万円ちょいを受け取り続けるってことか。生活費を少し上乗せできるってことだね!
そうだね。
老後の貯蓄方法と保険選びで詳しくは記載しているとおり、私は老齢年金をなるべく70歳から受給開始する
(通常65歳から受給開始するのを5年繰り下げる)
ことを推奨している。
ただこれを行うとなると69歳までの生活資金が不足しやすくなる。
その間の生活資金を上乗せする方法としては、今回のBさんのように

終身保険を60歳時に10年確定年金に移行し、60~69歳の10年間、保険会社から年金を毎年受け取る



終身保険を65歳時に5年確定年金に移行し、65~69歳の5年間、保険会社から年金を毎年受け取る


といった方法が、有効な手段の1つだと思う。
なるほど。
しかし、60歳まで積み立てて、それからは年金形式で受け取るとなると、個人年金保険とそっくりだね。じゃあ結局、個人年金保険と終身保険ではどっちが上なのかな??
これは比較する時期によって変わってくる。個人年金保険のほうが有利なこともあれば、終身保険のほうが有利な時期もある。最新の比較状況については、別途専用ページを作成してみたので参照してみてほしい。

◆参考リンク

個人年金保険 vs 終身保険
年2%のインフレが続くと学資保険や終身保険はどうなるか?

わかりました~。