医療保険と帝王切開2 通常分娩と帝王切開の出産費用

記事作成日:2014.4.1

通常分娩時の自己負担は39万円

厚生労働省の資料によると、通常分娩時の費用総額は平均で39万円くらいとなっている。通常分娩時の費用は健康保険適用外なので全額自己負担だ。
自己負担で39万円!?大変なんだなあ・・・。
そうだね。
けれど厚生労働省の施策である出産育児一時金42万円を誰でも受け取れるので、実質的には「普通はほぼ無料」になる。
なんだ、よかったあ。
子供はこれからの日本を支える宝なんだから、出産費用なんて負担させてちゃダメだよね!
まったくだ!
幼稚園の保育料とかももっと安くしてほしいもんだよ・・・。政府は消費税を増税したんだから、有意義にそのお金を使ってほしいとほんとに思うよ。
そうだよね!
ところで「普通はほぼ無料」っていうのはどういうこと?普通じゃない時なんてあるの?
ああ。例えば出産が深夜の時間帯になったりすると割増料金がかかったりするんだ。
そうなんだ・・・。先生の子供の時はどうだったの?
うちは上の子がまさにその割増料金だったんだ。
妻が頑張ってくれて子供は2人とも通常分娩だったんだけど、費用は2人でだいぶ差があった。
下の子は埼玉の田舎の公立病院だったからちょうど39万円くらいだったけど、上の子は都内の個人病院で、年末の深夜に産まれて正月にかけて入院してたから、だいぶ割増料金が上乗せされて51万円くらいかかったなあ・・・。
先生や看護士さん達も深夜まで本当に頑張ってくれたから、料金が割増されたことに全く不満はないけどね。産婦人科は本当に大変な仕事だなあと思ったよ。
確かに、命の誕生を司っているような感じだもんね!
そうだね。大げさだけど神に近い存在だなあと思ったよ。それに比べるとIT企業勤めの自分なんか価値のない存在だなと思うわ・・・。
まあまあ、もっとどうしようもない人はいくらでもいるから!
けど51万円もかかっちゃったなら、出産育児一時金の42万だけじゃだいぶ不足しちゃったってことだね?
いや、実は私が加入している健康保険組合は独自給付金が9万円支給されるので、結局トントンになったんだ。
そうなんだ、よかったね!
そうだね。続いて帝王切開時の費用をみていくよ。


帝王切開時の自己負担額は通常分娩よりも安くなる?

帝王切開時の費用は状況によってだいぶ差が出てくるけど、だいたい55~80万円くらいのケースが多い。
うーん、やっぱり手術代とかもあるから通常分娩の時より高くなっちゃうんだね。
そうだね。けどこの金額はあくまで病院側が受け取る総額だ。
通常分娩の時は
病院側が受け取る総額=妊婦側の自己負担額
だったけど、帝王切開の時は通常分娩と違い、一部は健康保険適用となり健康保険が費用を負担してくれるので、妊婦側の自己負担額は通常分娩よりもむしろ安くなるケースが多いそうなんだ。
そうなんだ!?一部は健康保険適用ってあるけど、一部って具体的に何?
帝王切開手術料入院基本料だ。
入院基本料は診察料、看護料、大部屋使用料などを含んだ料金だ。食事代は含まれていないので、言葉は悪いけど「診察付きの素泊まり料」と考えてもらうとわかりやすいかもしれない。
なるほど。つまり通常分娩だったら全額自己負担になる素泊まり料が、帝王切開の時は健康保険適用で3割負担で済むようになるってことかな?
そういうこと。
例えば帝王切開で出産し、10日入院して退院した場合は下記のとおり。
健康保険が適用されるものは、厚生労働省が点数制で価格を定めてしまっているので、どの病院でも料金は同じになっている。


項目 点数 負担額の内訳
総額
(病院が受取る額)
自己負担分
(3割)
健康保険負担分
(7割)
帝王切開
手術料
20,140点
(※1)
201,400円 60,420円 140,980円
入院基本料
(10日分)
17,500点
(※2)
175,000円 52,500円 122,500円
合計 37,640点 376,400円 112,920円

81,194円
高額療養費制度適用後)
263,480円

295,206円
高額療養費制度適用後)

※1 厚生労働省の資料の127ページより
※2 厚生労働省の資料の1ページより
    一般病棟入院基本料 1日につき1,750点(10対1入院基本料1,300点+入院期間14日以内加算450点)


なるほど、健康保険が30万円近くも負担してくれるわけか!
そう、健康保険は本当にすごいと思う。これだけ負担してくれるため、自己負担額は通常分娩よりも低くなってしまうことが多いらしい。
なるほどね!
それでは前ページの医療保険から受け取れる給付金も含めて、費用を整理してみたいと思う。


通常分娩 帝王切開
入院日数 5日前後 10日前後
入院基本料
(診察料・看護料・大部屋使用料)
全額自己負担 3割負担
帝王切開手術料 3割負担
新生児保育料・検査料 全額自己負担 全額自己負担
食事代 全額自己負担 全額自己負担
少人数部屋使用料
(=差額ベッド代)
大部屋との差額を負担 大部屋との差額を負担
費用総額
(病院側が受け取る総額)
39万円程度 55~80万円程度
自己負担額 39万円程度 30~45万円程度
健康保険負担額 25~35万円程度
医療保険から受け取れる給付金 20万円程度(※)
出産育児一時金 42万円 42万円
差引額
(②+③)-①
+3万円程度 +17~32万円程度

※県民共済の入院保障2型で「手術給付金+入院給付金10日分」が給付された時


なるほど、差引額をみると黒字になってるね!
特に帝王切開のほうは大きく黒字だね。
計算上はね。
実際には夜間や早朝の出産になって割増料金が発生するケースは多いし、出産後は大部屋でなく個室や少人数部屋で落ち着きたいという方も多く差額ベッド代が発生するケースも多いので、それほど大きく黒字にはなかなかならないと思う。
なるほど。
今回の話はここまで。ここまで読んでくれてありがとう!
お疲れさまでした~