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前立腺がん対策2 PSA検査は早期でも見逃し(偽陰性)が少ない

記事作成日:2016.6.25

PSA検査は早期ガンでも見逃しがとても少ない

ショウ君、大腸がんの発見が可能な便潜血検査を覚えてる?
うん。安価で簡単だけど精度が低いのが弱点だったよね。
そうだね。
便潜血検査は、早期ガン患者が受けた場合で陽性率50%、進行ガン患者が受けた場合でも陽性率は80%。つまり、実際には早期ガンであるにもかかわらず、陰性(ガンではない)と判定されてしまう方が約半分もいる。
それはほんとにやばい弱点だよね。
そうだね。
実際には陽性(ガンがある)にもかかわらず、誤って陰性(ガンではない)という判定がされてしまうことを偽陰性(ぎいんせい)というんだけど、偽陰性が多い検査はいくら安くて簡単でも良い検査とはいえないと思う。
たしかに不安だよね・・・。
そうだね。
ところがこのPSA検査は偽陰性がとても少ないんだ。こちらの資料によると、実際には前立腺がんであった188人がPSA検査を受けた結果、陰性(前立腺がんではない)と誤って判定されてしまった人は4人しかいなかったらしい。
おお~。ってことはほとんど見逃しがないってことか。便潜血検査と比べると雲泥の差だね!
そうだね。
しかもちょっとデータが見つけられなかったけど、PSA検査は早期ガンであっても高い精度で見つけられるようなんだ。
なるほど、いいことづくめだね。なにか弱点はないの?
強いて言えば感度が良すぎることかな。
偽陰性の逆で、実際にはガンではないにもかかわらず誤って陽性(ガンである)と判定されてしまうことを偽陽性(ぎようせい)というんだけど、さすがのPSA検査も偽陽性は多いんだ。


偽陰性 偽陽性
概要 実際には陽性(ガンがある)のに
陰性(ガンでない)と判定されること
実際には陰性(ガンでない)のに
陽性(ガンである)と判定されること
より良い検査は? 偽陰性率が低ければ低いほどよい 偽陽性率が低ければ低いほどよい
便潜血検査は? 偽陰性率が高い(早期ガンは50%) 偽陽性率は非常に高い(約97%)
PSA検査は? 偽陰性率が低い(数%程度) 偽陽性率は高い(60~75%程度)


なるほど。つまりPSA検査が陽性になったので精密検査を受けても、3回に2回くらいは空振りになってしまうということか。
そうだね。
でも逆にいえば3回に1回は本当に前立腺がんが見つかるわけだし、他の検診と比べれば偽陽性率も低いほうだと思う。なので生意気だけど、PSA検査が陽性になってしまった方は精密検査をしっかり受けてほしいと思います。
なるほど。ちなみに精密検査ってどんななの?
生検(せいけん。生体検査の略)
といって、前立腺に針を刺して細胞を採取しガン細胞の有無を調べるのが一般的のようなんだ。針を刺すときは麻酔をするけど病院(泌尿器科)によっては痛みも大きいらしいので、インターネットで評判のよい病院を探して受けたほうがよいと思う。
なるほど。


PSA検査は何歳から受ければよいか?

前立腺がんは一般的に進行が遅く、発症してから検診などで見つかるくらいの大きさになるまでに30~40年くらいかかるらしい。
そんなに?だから高齢者に多いガンなのか・・・。
そうだね。
なので人間ドックのメニューの中にPSA検査が入ってくるのも、50歳からというところが多い。私が加入している関東ITソフトウェア健康保険組合の人間ドックも、50歳からになっていた。
なるほど。じゃあ50歳からでいいのかな?
いや、前立腺がんは30代まではほぼ0に近いけど、40代では少ないとはいえ発症してしまう方がいる。そしてその多くが遺伝によるもののようなんだ。
こちらの資料によると父親や兄弟に発症者がいる方の場合、前立腺がんの発症率が下記のように2~11倍に増えてしまう。


父親や兄弟に前立腺がん発症者が1人いる場合
2倍

父親や兄弟に前立腺がん発症者が2人以上いる場合
5~11倍


なので該当する方は40代から、健康診断や人間ドックを受診する際にPSA検査をオプションで受けたほうがよいと思う。
なるほど。


40~60代の方はPSA値が4ng/ml未満でも注意

PSA検査は血液中のPSAというたんぱく質の量を調べる検査だけど、具体的にPSAがどれくらい多いと陽性とするかは、特に決まりがないんだ。
ただ下の表の検診Aのように、受診者の年齢を問わず1mlあたり4ng(ナノグラム。1億分の1グラム。)をカットオフ値(基準値)に設定している検診が多い。
ふむふむ。つまり4ng未満は陰性、4ng以上だと陽性としているってことね。
そうだね。けれど健常者の場合、PSA値は0.1ng/ml以下らしいんだ。
え?じゃあ4ngってまではいかないにしても、3ngあったら十分やばそうなんじゃ・・・。
そうなんだ。
PSA値は健常者でも高齢になるに連れて上昇していく。なので下の表の検診Bのように、検診によっては年齢別に基準値を設定しているところもあるんだ。


カットオフ値(基準値)
50~64歳 65~69歳 70歳以上
検診A 全年齢で4ng/ml
検診B 3ng/ml 3.5ng/ml 4ng/ml


実際こちらの資料によると、50~66歳でPSA値が3~4ng/mlだった人に精密検査をした結果、13.2%の確率でガンが見つかったらしい。なので40~60代の方は、3~4ng/mlだったとしても泌尿器科に相談してみたほうがいいかもしれない。
なるほど。
では今回のまとめを。


前立腺がん対策編のまとめ

ここまで見てきた内容をまとめると下記のとおり。

・前立腺がんは予防が難しいため罹患者が急上昇中だけど、治りやすいし早期発見も可能ながん。
・早期発見には「安い・簡単・見逃しが少ない」PSA検査が有効。
・父親や兄弟に前立腺がん発症者がいる方は発症率が高いため、40代からPSA検査を受けることを推奨。
・40~60代はPSA値が4ng/ml未満であっても注意。

なるほど。
今回はここまで。ここまで読んでくれてありがとう。
お疲れさまでした~

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