すい臓がん対策1 2018年ころには早期発見が可能に!?
記事作成日:2016.1.24
すい臓がんは予後が非常に悪いガン
※本ページは日本膵臓学会の2013年版の膵癌診療ガイドライン(PDF)などを参考に作成しています。 次はすい臓がん。膵がん(すいがん)とも言われる。2014年の統計では、男性は5番目、女性は4番目に亡くなってしまった方が多いのがこのガンなんだ。 |
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えーと、今回のコーナーの最初のほうで、すい臓がんは 予防:難しい と、悪い3拍子が揃ってしまっているという話だったけど・・・。 |
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そうなんだ。 |
予防 |
難しい |
早期発見の可否 |
とても難しい |
早期発見時の5年生存率 |
1期(2cm以下)でも40.3% |
うわ、これはたしかに今まで見てきた中で最悪だね・・・。 | |
そうだね。 アップルの創業者のスティーブ・ジョブズさんが56歳で亡くなっているし、私の祖母もこのガンで亡くなってしまった。優しくて元気で大好きだったおばあちゃんが、みるみる間に衰弱していってしまったのは本当にショックだった。だから「すい臓がん」という名前を聞くだけでも、恐ろしいし悔しいよ。 |
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そうなんだ・・・。じゃあどうすればいいんだろう? 予防も早期発見も難しい上に、早期発見できても助からないケースが多いんじゃ打つ手なしなんじゃ・・・? |
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いや、世の中にはとんでもない天才がいるもんだ。 私なんかは祖母が亡くなった時に悔しいとは思ったけど、だからと言って何もできることはなかった。 ところが、身内が亡くなってしまったのが悔しくて早期発見方法を開発してしまった15歳の高校生がいるんだ。 |
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マジで!?天才すぎるでしょ。誰なの? |
2018年頃には、すい臓がんの早期発見が簡単にできるようになるかも。
アメリカのジャック・アンドレイカ君だ。アンドレイカ君は親しかった叔父がすい臓がんで亡くなってしまったことから、すい臓がんの有効な早期発見方法がないか研究を開始した。その結果、メソテリンというたんぱく質がすい臓がんになると上昇することを発見したんだ。 2013年に発表されたアンドレイカ君のレポートによると、尿1滴で検査は可能らしい。しかも検査費用はたったの3円(約3セント)、検査所要時間はたったの5分で、早期のすい臓がんを100%近い確率で見つけることができるらしい。 |
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ほんとに?すごいなあ。けどさ、2cm以下の早期で発見できても5年生存率が40%くらいしかないんだよね?それじゃあ結局助かるケースは少ないんじゃ? | |
安心して下さい、助かりますよ。 アンドレイカ君のスピーチの中に下記の記述がある。 the key is that it's found in the earliest stages of the disease,when someone has close to 100 percent chance of survival. いかに凶悪なすい臓がんといえど、ステージ0期の上皮内がんの段階で発見できれば5年生存率はほぼ100%。つまりアンドレイカ君の方法は、上皮内がんをも見つけられると報告されているわけだ。 |
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はあ、すごすぎるね。こんな方法どうやって見つけたの? | |
googleとwikipediaで検索して情報収集したのが主らしい。 私は自宅にアメリカ人やカナダ人をホームステイで受け入れたことが何度かあるんだけど、たしかに日本人と比べてITの知識が圧倒的に高いんだよね。何でもググって解決しちゃってた印象があるよ。 |
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なるほど。アメリカ人はすごいね。 | |
そうだね。 けれど日本人だって負けちゃいない。国立がん研究センターも2015年11月に、すい臓がんの早期発見方法を開発したというレポートを発表したんだ。これはアンドレイカ君の逆で、ApoA2アイソフォームというたんぱく質が早期のすい臓がんになると低下することを利用したものらしい。 しかも既に検査キットもできており、この検査キットを使用した模擬検診が神戸大学グループの施設で既に実施されているらしい。 |
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ほんとに?じゃあ実用化がもう見えているんじゃ!? | |
そうだね。模擬検診の結果が良いものとなれば、すぐにでも実用化されるんじゃないかと思う。 アンドレイカ君の方法も、2013年時点で 「今後2~5年以内の実用化を・・・」 という話があったようだ。 |
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そうなんだ。そしたらあと2~3年後(2018年頃)には、本当にすい臓がんの早期発見が可能になっているかもしれないね! | |
そうだね。 (国立がん研究センターや神戸大学グループの皆さん、本当に頑張って下さい!) では将来的には早期発見には大きな希望があるとして、今現在はどうすればよいか?次のページでは今できる予防方法や早期発見方法を見ていくよ。 |