肝臓がん対策4 B型肝炎ウイルスを100%排除可能な新薬が治験中

記事作成日:2015.12.26

2014年12月よりオーストラリアで治験中

前ページまでで見てきたように2015年現在は、C型肝炎ウイルスを完全に排除できる薬はあるけど、B型肝炎ウイルスを完全に排除できる薬は残念ながらまだないんだ。
うん、だから今はウイルス量を減少させて肝炎を抑える核酸アナログ製剤
エンテカビルテノホビル
が主に使用されているんだよね?
そうだね。
けれど動物での治験では完全排除に成功している薬が実はあるんだ。2015年4月21日のオーストラリアの学会のレポートで紹介されている。原文(一部抜粋)と和訳は下記のとおり。

※元記事はこちら
※英語はあまり得意でないので和訳に誤りがあったら申し訳ありません


Cancer drug shows promise as cure for hepatitis B
抗がん剤がB型肝炎ウイルス治療薬としての可能性を示した
21 April 2015
2015年4月21日

Australian scientists have found a potential cure for hepatitis B virus (HBV) infections, with a promising new treatment proving 100 per cent successful in eliminating the infection in preclinical models.

オーストラリアの科学者達が、前臨床試験(動物での治験)においてはB型肝炎ウイルス感染の除去に100%の確率で成功した、新しい有望なB型肝炎ウイルスの治療方法を発見しました。

Australian patients are now the first in the world to have access to the potential treatment – a combination of an antiviral drug and an anti-cancer drug - which is in phase 1/2a clinical trials in Melbourne, Perth and Adelaide.

オーストラリアの患者の方々は現在、メルボルン市と「パース市&アデレード市」で半々ずつ同調して行われている、抗ウイルス薬と抗がん剤を組み合わせたこの有望な治療方法に、世界で初めて踏み入れています。

Scientists from Melbourne’s Walter and Eliza Hall Institute developed the combination treatment using birinapant, a drug developed by US biotech company TetraLogic Pharmaceuticals for treating cancer.

メルボルンにあるウォルター&イライザ・ホール医学研究所の科学者達は、米国のバイオテクノロジー会社「テトラロジック医薬品」が開発した抗がん剤「ビリナパント」を組み入れた治療方法を開発しました。

Hepatitis B is a chronic viral disease that is currently incurable.

B型肝炎は現在は完治不可能の慢性ウイルス疾患です。

Dr Marc Pellegrini, Dr Greg Ebert and colleagues at the institute used their studies of the behaviour of hepatitis B virus in infected cells as a basis for the treatment.

マーク・ペッレグリーニ博士、グレッグ・エーベルト博士と学会の同僚らによる新しい治療方法は、
「感染細胞内でB型肝炎ウイルスがどのような行動をしているのか?」
についての研究を基にしたものです。

The research was published today in two papers in the journal Proceedings of the National Academy of Sciences.

この研究結果は本日、2つの書類にて米国科学アカデミーの機関誌で発表されました。

Dr Pellegrini said the treatment was successful in curing infections in preclinical models, leading to a human trial that began in December 2014.

ペッレグリーニ博士は、この治療方法が前臨床試験(動物での治験)で成功したのを受けて、2014年12月に人間での治験を開始したとのことです。

“We were 100 per cent successful in curing HBV infection in hundreds of tests in preclinical models,” Dr Pellegrini said.

前臨床試験(動物での治験)では、数百回ものテストを行ったところ、100%の確率でB型肝炎ウイルス感染の除去に成功したと、ペッレグリーニ博士は述べていました。

“Birinapant enabled the destruction of hepatitis B-infected liver cells while leaving normal cells unharmed. Excitingly, when birinapant was administered in combination with current antiviral drug entecavir, the infection was cleared twice as fast compared with birinapant alone. We are hopeful these promising results will be as successful in human clinical trials, which are currently underway in Melbourne, Perth and Adelaide.”

「抗がん剤のビリナパントは、正常な細胞は破壊することなく、B型肝炎ウイルスに感染した肝細胞のみの破壊が可能なことがわかりました。
しかも、現在使用されている抗ウイルス薬のエンテカビルと併用した時は、ビリナパントを単独で使用した時の倍を速さでウイルスが除去されていくことがわかりました。
私たちは、メルボルン市やパース市、アデレード市で現在実施中の人間での治験においても、(動物での治験と同様の)有望な結果が出ることを大いに期待しています。」


おお~。ということは、今まさにオーストラリアの患者の方々がこの新しい治療方法を受けているということだね!結果はどうだったんだろう?
ちょっと探したけど、申し訳ない、見つけられなかった。ただ結果が出ていればニュースになっているはずだから、まだ恐らく結果は出ていないんだと思う。
(もし見つけられたら追記したいと思います)
そっか。本当に大いに期待だね!
そうだね。ということでかなり長くなってしまったけど、肝臓ガン対策編のまとめを。


肝臓ガン対策編のまとめ

ここまで見てきた内容をまとめると下記のとおり。

・肝臓ガンの原因の大半はB型・C型肝炎ウイルス。
・肝臓ガンの予防は、B型・C型肝炎ウイルスの早期発見、早期治療が重要。
・C型は新薬により飲み薬だけでウイルスの完全排除が可能。
・B型はウイルスを完全排除できる薬は残念ながらまだないが、肝炎を抑えることは可能。新薬により副作用や治療費の自己負担額は改善している。

胃ガン対策編のピロリ菌と同じだけど、とにもかくにも肝炎ウイルスに感染している可能性がある方は感染検査を早めに受ける。肝臓ガン対策はこれに尽きるね!
そうだね。だいぶ長くなってしまったけど、ここまで読んでくれてありがとう!
お疲れさまでした~