学資保険と税金3 所得税(雑所得)の計算方法

記事更新日:2016.9.6

雑所得が非課税になる範囲

さてでは、18歳から22歳くらいまで学資年金を毎年受け取るタイプの場合の具体例を見ていくよ。

まず、学資年金は雑所得(ざつしょとく)という扱いになる。
雑所得ってすごいネーミングだな・・・。雑でいいのかな?なんなの雑所得って?
ネーミングの由来はよくわからない・・・。まあ詳しくはここでは割愛するけど、雑所得は所得税法における所得の一種だ。収入から必要経費を差し引いた額が雑所得になる。
うーん、わかりづらいな・・・。
そうだね。まあ簡単にいうと雑所得は利益とほぼ同じ意味と考えてもよいと思う。
なるほど。利益と思えばわかりやすいな!
だね。
さて、学資年金は毎年同額の保険が多い。その場合の雑所得をほぼ正確かつ簡易的に求める計算式(※)は下記のとおり。


雑所得=学資年金額-(保険料総額÷年金受取回数)


上の計算式の結果、雑所得が専業主婦は38万円以下会社員は20万円以下自営業者は0円以下になれば非課税になる。ただ0円以下になることはないので、自営業者は必ず課税義務が発生してしまう。


※完全に正確な値を求めるには、個人年金保険の雑所得の計算方法で紹介している計算式を使用する必要があります。しかし、その計算式は複雑なことなどから、このページでは上記の簡易式での計算方法を紹介します。
なお、この簡易式はニッセイ学資保険のように学資年金が毎年同額でない保険の計算はできません。ニッセイ学資保険の雑所得の計算方法はニッセイ学資保険のページで紹介していますので、よかったら参照してみてください。


雑所得
(課税対象額も同額)
税金を払う必要があるか?
自営業者 会社員・公務員(※1) 専業主婦(※2)
~20万円 課税 非課税 非課税
~38万円 課税 課税 非課税
38万円超 課税 課税 課税

※1 学資保険以外には給与所得と退職所得しかない場合
※2 学資保険以外に収入がない場合


学資年金を受け取る場合の所得税(雑所得)の計算方法

それでは具体例として下記の契約内容の時を見ていこう。

契約者・・・父親
受取人・・・父親
年払保険料・・・約36万円
保険料総額・・・650万円
学資年金(18歳の時に受け取る)・・・150万円
学資年金(19歳の時に受け取る)・・・150万円
学資年金(20歳の時に受け取る)・・・150万円
学資年金(21歳の時に受け取る)・・・150万円
学資年金(22歳の時に受け取る)・・・150万円
学資年金(合計)・・・750万円

年払保険料36万円っていったら、月あたり3万円くらいか。かなり高額な契約だね!
そうだね。計算しやすかったので。
さて所得税は毎年算出されるので、ここでは18歳の年の所得税(雑所得)がいくらになるかをみていく。


雑所得=学資年金額-(保険料総額÷年金受取回数)


だった。それぞれ

学資年金額(18歳の時に受け取る学資年金)=150万円
保険料総額=650万円
年金受取回数=5回(18歳、19歳、20歳、21歳、22歳の5回)

になるので、

雑所得
=学資年金額-(保険料総額÷年金受取回数)
=150万円-(650万円÷5回)
=150万円-130万円
20万円

となる。
雑所得が20万円ってことか。ということは、会社員公務員は20万円以下なら非課税だからギリギリ非課税だね。自営業者の場合は税金がかかってきてしまうようだけど、具体的にいくら払うことになるんだろう?
税額=雑所得×所得税率

だ。
所得税率は収入によって変わってくるけど、年収500万円くらいまでの人であれば5%になる人が多い。仮に5%として計算すると今回の場合であれば


税額
=雑所得×所得税率
=20万円×5%
1万円


となる。
なるほど。これは18歳の年に払わなければいけない税額だよね?19歳以降はどうなるの?
19歳以降も学資年金150万円を毎年受け取る度に、税金1万円を払わなくちゃいけなくなる。なので5年間で合計5万円税金を払うことになる。
5万円か、痛いなあ・・・。
まあ確かに大きいよね。けど今回の例だと保険料を総額で650万円払って750万円戻ってきている。つまり100万円利益が出ている。それで税金が5万円ってことは、利益の5%を税金として取られてしまうということになる。けれど銀行の定期預金だったら源泉分離課税で強制的に利益の20%を税金として取られてしまうので、それよりは優遇されていると思う。
なるほど、それを考えると有利だね。
しかしこんな高額な契約でも会社員はまだ税金がかからないってことか。
そうだね。ざっくりだけど会社員の場合、大学在学中の学費を重視したタイプの時は毎月3万円以上の保険料を払うような高額な契約でようやく税金を払わなくちゃいけなくなってくる。そんな高額な契約をする人はあまりいないだろうから、基本は非課税と思ってしまっても大丈夫だと思う。
なるほど。ところでなんで会社員と自営業で非課税の範囲が異なっているの?


会社員は課税対象額が20万円以下の場合は確定申告不要

上記の例では雑所得が20万円になったよね。雑所得は全額が課税対象額になるので、雑所得が20万円なら課税対象額も20万円になる。
会社員や公務員など年末調整を実施している人は、給与所得と退職所得以外の所得の課税対象額が20万円以下なら確定申告不要になっているんだ。なので今回の例(課税対象額20万円)の場合は非課税になる。
まあ確かに、会社員がちょっと他に収入があったくらいで確定申告が必要だったら、物凄い数の会社員が確定申告のために税務署に押し寄せることになっちゃうもんね!
そうなると迷惑だから「20万円以内なら見逃してやるよ」ってことだね。
まあそうだね。
ただ気をつけてほしいのは、年末調整を実施した会社員であっても、住宅ローン控除の申請などで税務署に確定申告をしにいく人は、確定申告をする時に20万円以下の課税対象額についても一緒に申告しなければいけないんだ。
なんだそりゃ?
「20万円以下でいちいち確定申告に来られても迷惑だから来なくていいよ~」
と言っておきながら、
「どうせ来たんだったら、20万円以下の分も申告してね!」
ってことか。調子いいね税務署は・・・。
まあそうだね。それが仕事だからね(^^;)


専業主婦は課税対象額が38万円以下の場合は確定申告不要

専業主婦の場合は基礎控除38万円があるので、課税対象額が38万円以下なら確定申告不要になっているんだ。なので会社員より更に高額の契約でないと税金がかかってくることはない。
そうなんだ。じゃあガッツリ超高額な契約をしたい人は専業主婦の奥さん名義で契約をしたほうが有利だね。
まあそれはそうなんだけど、そこまで高額な契約をする資金があるなら私なら学資保険以外に資金を回すかな。ローンの繰り上げ返済とか保険なら個人年金保険とか、あとは金投資や不動産投資とかね・・・。
なるほどね。
ではでは学資年金にかかる税金の話はここまで。数字ばかりで難しかったと思うけど、ここまで読んでくれてありがとう。
お疲れさまでした~